2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

再拡張 & 胃拡張

穏やかな朝で、ほっとする。 我輩にとってはさほど寒くない朝の空気であるが、セニョール・ムーチョにとってはちょっと寒いやうだ。客人に朝から寒い思ひをさせてはいけないので、ストーブを焚く。灯油を新物に換へたので、妙な煙が出なくて宜しい。でもね、…

再現不可

激しき寒気団もやうやう東方遙かに去りつつあり、朝起きてすぐ庭に出ても、肌を刺すやうな冷たさは無い。 我が家から現場までは車で30分ほどの道のりだが、年度末のせいか唐突に道路工事が行はれることもしばしば。それに加へ、春休みを利用して自動車学校へ…

冬の豊饒

一晩中の咆哮。雲多しと雖も良く晴れて、朝日が眩しい。 乾ききった現場の地面は予想通り、ほどよく湿って表面が柔らかくなってゐた。集石土坑の表面もほどよく雨で洗はれて、礫の隙間に詰まった土も掘りやすくなってゐるやうだ。昨天は養生シートをかけなく…

東風吹かば・・・

停滞したぬるめの空気が充満した朝で、曇り空では三椏の花も映ゑない。此の妙な具合の空気の澱みは、既に午後からの雨を予感させるに十分だった。 (-_-) さて、現場へ。 崖っぷちに出現した新たな集石土坑の断ち割り。本体の直径は約1m、擂り鉢状の断面で…

残留思念

暴風狂風強風止んで、暖かさ戻る。 午前中は庭木の手入れをし、午後から雁合遺跡へ。我々は博物館の稼働に半ば準じ日月が休天だが、広大なる圃場整備工事現場は土曜も祝日も動いてゐるし休みは基本的に日曜だけ。今天は勿論稼働中。 大急ぎで緊急調査を実施…

蟄居裏

一晩中台風の只中に沈潜してゐたやうな、ワルプギスの夜。 普段から外れ歪んだ障子や襖が激しく揺れて、部屋側と廊下側を激しく往来する。硝子戸は其の裏側で、誰かが手のひらで忙しく叩き続けてゐるのではないかしらむと思ふほどの騒擾。鴨居に貼られた地図…

嵐が来るよ!

今天的天候の急激な変化はまさに劇的で、早朝まで残ってゐた陽春の空気の温もりも青空も何もかもが、黒雲と疾風によって何処かに連れ去られてしまつた。 「嵐が来るよ!」*1 誰かが西方の山の彼方を指差して呟く。先ほどまで見へてゐた今方の山の端が灰色が…

春霞収冬疑心暗鬼

今天的天空殊更遠方春霞、雲霞羽虫頻繁翩翻浮遊纏付、果敢振下掘削道具、忽流汗額與背中。 (–_–;) 朝の空気にぴりりとした棘は無かったが、現場に放置しておいたバケツには氷が張ってゐた。 昨天大まかな検出を済ませておいた集石遺構、其のところどころに石…

雁合式陽春満月

光の春は紫外線量もかなりのものらしく、このところの屋外工作に因って顔の日焼けは想像以上だった。 日頃ぢっくり鏡など見ることも殆ど無いが、今夜蒸しタオルで顔面をふやかしたのち、無闇にごしごしと拭き取ってゐたら、方々が妙にひりひりする。改めて鏡…

電線の物理的劣化の影響と人生の関係

四五日前あたりから、電絡網の接続が不自由になり、かといっても待ってゐれば何とか繋がるのだが何かがおかしな様子。 ウェブブラウザのキャッシュを捨ててみたり電脳を再起動してみたり、デスクトップに溜めてゐた画像データを外付けHDに移動してみたりテッ…

雁合式逆襲3

エド・はるみさん、ステキです。美人だし(はじめは)上品だし、激しく奇妙だし、そして結構中年だし。。。 (-_-) さて、雁合遺跡への再挑戦。 表土掘削した大区画の残りを、検出を兼ねて清掃。古代の住居址は床面の精査を同時進行。検出を進めていくと、石…

僧坊探訪

今天は晴るるにまかせ、普門寺へ。 国道42号をひたすら東へ走って行くと、彼方に尋常ならざる雪山の姿。果たして、今年初めて見る富士山の勇姿であったのだが、さてこの距離この視界なれば、紀元前より幾度となく発生した大噴火も、当地の人々は茫洋呆然と眺…

怪我または遅刻の功名と高名の木登りまたは山登りの関係性について

ほぼ終日、溢れる陽光と灰色の雪雲と風花の繰り返し。 雪雲は常に西北の彼方より飛来する。絹のきめ細やかさをもった綿毛のやうなもやもやっとした半透明の水煙が、灰色雲の下底にまとはりつくやうに繰り返しやってくる。 強風に運ばれてやってくる雪雲の壁…

雁合式逆襲2

物干し竿がプラスチックでもアルミニウムでもステンレスでもなくまだ竹竿だった頃(といっても我が家では今でも切ってきた竹そのものだが)、竹の節に洗濯物や布団が引っかかるのを防ぐ為、ビニルのやうなセルロイドのやうな、ポリプロピレンのやうなプラス…

雁合式逆襲1

昔は神経やタマゴの信者だったが、昨今は葛根湯の信者になりつつある。 寒い日に葛湯を飲めば、指先の隅々まで血行が良くなり、少なからず顔も火照って暖かくなる。コレが葛の醍醐味である発汗作用だが、実は鎮痛作用もあるのだ。 ひとくちに葛根湯と言って…

風花の行方

気が付けば強風は夜明け前より徐々に静まりつつあり、朝の庭にはらははと風花の舞ひたりける。 雁合遺跡の後片付けのため現場に出向き、道路予定地の延長上から次第に接近しつつある重機を横目に、道具類や土嚢を集める作業をおこなった。遮るものの無い現場…

雁合式暫定的終了

昨夜からの強風はまさに暴風の域で、地上のあらゆるものを吹き飛ばすべく終日吹き荒れ狂ひたりける。 その勢ひは山も靡けと、勿論陋屋は大いに靡き軋み、隙間風も障子が外れるほど強く吹き込み、此処は屋外かとしばしば怪しむほど。心頭滅却しても火は熱いが…

雁合式残務

首爾の南大門こと祟礼門が炎上し、人民の眼前で大崩落していく様子は美しくも壮大で、儚くもの悲しく、嗚呼斯くの如く都城は灰燼に帰して行くのだなあとの感慨改めて深し。 放火犯はあっさりと捕まったやうだが、此の一件に関する電絡網上の各種書き込みだの…

雁合式終焉

暖かな日で、日差しも柔らか。 隣家との境界の生け垣を為してゐた椿をかなり大胆に切ってしまつたので、今年はメジロの隠れる藪が殆ど無い。そんな椿の木の股に、幾つか蜜柑の輪切りを置いておいたのだが、心配は杞憂に終はったやうだ。 メジロはいつものや…

雁合式追尾

正月三日目、明けて快晴。 ヴォストーク(東方)に走り抜けた沿岸低気圧は二つ玉のせいか冬型に至らず、どことなく南洋の空気を引きずって来たやうだ。 雪のち晴れの溢れる陽光に誘はれて、庭の三椏が外側から咲き始める。八重咲きの水仙は既に満開を過ぎて…

雁合式終盤

天候の行方を気にし乍ら、粛々と発掘作業を開始。風こそ無けれども、とにかく冷たく、とにかく寒い。 工作現場そのものはあと数日間、重機の蹂躙からは逃れられるやうだったが、途中何度か工事関係者が何度か作業の様子を覗きに来たりして、縄文早期以前に同…

雁合式3

ぴりりと寒く、冬らしい朝、庭の蹲ひに薄氷。 恒例的内容の朝食を三人で、むしゃむしゃむしゃむしゃと喰ふのだが、今回細身のISGR女史が意外にも「八瀬の窯風呂」ぢゃーなくって「痩せの大喰ひ」ではないかてう疑惑が沸き起こり、御本人様も無碍に否定するワ…

新春快楽恭喜發財!

年々歳々我が脳髄脳幹海馬はとりとめもなき妄想や幻視の世界に広く広くとめどもなく果てしなく大なり小なり日々遊べども遊べども、どのやうなことが真実で真理で摂理で原理で原則で、どのやうなものごとが秩序たるべき混沌であるのかだうか、今や疑心も坦懐…

雁合式2

今天終日曇天にて、殆ど厳しき風は無けれども同時に陽光も無き故に肌寒く、地面に突く膝も忽ち冷たし。 今天は学生有志諸君三名様の参加を得、冷ゑた大地に活気が加はる。先年段丘下の宮西遺跡を発掘調査した経験を持つ彼らであるが、段丘面の遺構検出は恐ら…

雁合式1

休み明けの雁合遺跡、ブルーシートの上にはところどころ、一昨日降った雨水が溜まってゐて、新品のシートの撥水と相俟って美しくも儚くも其の水面に今天の灰色雲を映す。そんな透明で刹那の世界は、ほんの数分後にはどろどろの長靴で蹂躙され、覆水盆に返ら…

鳥瞰式踏査3

立春大吉、お山快晴。 昨夜から三度目の覇拿里荘来訪を果たした老朋友WD氏と、地元の友人NKGM君を伴って、今天は滝頭不動の滝からの入山。此の滝を訪れるのは二度目だが、前回は12年も前。しかも秋の日の黄昏時で、昼猶暗き幽谷の登山道をひんやりとした冷気…

大検索

草木ざわめく丑三つ時、小雨から霙混じりの時雨模様に。しかし、朝までには再び小雨に戻り、午後遅くまで降ったり止んだり。 今天は現場工作お休みで、ここぞとばかり約半日、電脳に向かって集中的に情報収集ご熱心。でもね、結果はとっても中途半端。 (―_―)…

曇天雁行

今天的天気曇天ニシテ吹ク風冷タク、陽光欲シ。 結局、焼土や炭化物、被熱礫が集められた土坑は不定型な掘り込みとして完掘された。埋土からは相変はらず、石鏃や剥片石器、打製石斧や磨石、ぼろぼろになった土器片などが被熱した礫に混ざって出土する。礫の…

検出再開

天気晴朗ナレド風強ク、終日吹キ狂ヘリ。 (-_-) 今天より、雁合遺跡の緊急調査を開始する。ユンボによる表土剥ぎは非常に慎重で巧みに行はれたのだけれど、バケットの延伸半径外の部分や複数回の掘削によって生じた小さな凹凸は、人力で削平する以外に無い。…