雁合式終焉

咲き始めたりけるよ

暖かな日で、日差しも柔らか。
隣家との境界の生け垣を為してゐた椿をかなり大胆に切ってしまつたので、今年はメジロの隠れる藪が殆ど無い。そんな椿の木の股に、幾つか蜜柑の輪切りを置いておいたのだが、心配は杞憂に終はったやうだ。
メジロはいつものやうに、10羽前後が群れになって庭中を飛び回り、僅かに残った椿の花や咲き始めた三椏の花までも、ちちよちちよちゅちゅちゅっと可愛らしく囀り乍ら、突っついてゐる。
見てゐると、雀とメジロは同時に近くにゐてもお互い干渉せず、領域を弁へてゐるやうだ。このあたりがキーキーじゃーじゃーとうるさいヒヨドリと違ふところで、彼らはうるさいばかりか他の小鳥を蹴散らしてやってくるのだ。
(―_―)
           
さて、雁合遺跡での最後の足掻き。
炉穴天井部分右袖の取り上げと、積み石の確認。一番下の床に置かれてゐた角張ったチャートは、火表が赤化してゐてよくわかる。いちばん天井に近い石は2つに見えてゐたが実は一つで、合計4個が積み上げられてゐたやうだ。床面の断ち割りセクションも再度精査してみたが、今回指摘されたやうな染み込み状の痕跡は認められなかった。そして良く見へなかった天井部分も、掘削道具の痕跡である凹凸がよく観察できる。此の炉穴の場合、掘削された地層にはまったく礫が含まれてゐないため(地山表面が固結シルトの礫状態になったものはしばしばみられる)、打斧でなくても木の掘り道具で十分掘り抜きが可能だったのだらう。残念乍ら持ち帰ることが出来るのは、この天井部分と積み石のみ。
其ノ後は旧石器面を求め、地山部分の数カ所にテストピットを開ける。先日の1m四方のグリッドからは図ったやうに細石核1個が出土したが、いったいどれほどの密度で旧石器時代の遺物が分布してゐるのだらうか。
(-_-)
        
今天は午後から、またまたNKGM君のボランティア参加を頂戴し、ぶむぶむとツルハシ振り回していただきました。<(_ _)>
更に、インフルエンザも完治しないままさまざまな試練を潜り抜けてきた?セニョール・ムーチョも途中参戦。暖かいので掘削工作に取り掛かるとたちまち汗ばんできますが、油断大敵。基本的に病み上がりなのですからして、重々御自愛下さいますやうに。
m(_ _)m

えっ、また雪ですか?!
             
炉穴床面を果敢に断ち割りにけり
              
 
彼方に虹色の雲出て、鳳凰の気。吉祥?瑞祥?