2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

有機的?

果物の中で一番好きなのが葡萄だ。 中でも巨峰やマスカットがお気に入りなのだけど、それらはいつしか高級くだものになりつつあるわけで、じゃー庭で作ってみるべーかと思って苗を植えたのが3年前。すでに去年から収穫はできるようになったものの、肝心な時…

笹百合幻想

初夏のさやけさは 野に咲く笹百合の やはらかな薄桃色 梅雨の兆しを孕んだ南風に揺れ 十薬の群を従え 虫の足音を聴いてゐる 野にありてこそ この涼しげにして凛とした風体は 黒文字の友なるか そして今日のゆふべは 我が友なるか

天敵!

梅雨の兆しはいろいろあるが、動植物の動向も見逃せない。八百屋の店頭に青梅が並びはじめると、庭のドクダミが咲き、葡萄の蔓が大いに伸びて、あの忌まわしいムカデが巨大化して家の中まで出現してくる。 勿論蚊虫も鬱陶しいそんざいだけど、たちの悪さでは…

電脳破壊

電脳が壊れた。 PowerBookG4の初期型、液晶が突如表示されなくなったのだ。前回のiMac的クラッシュの時とは違って、幸いHDは無関係らしく、眠っていたiMacを蘇らせPBG4をターゲットPCにしていろいろな状況をしのぐ。 要はメールとインターネットの2大イ…

初夏の水分

梅雨の気配。 乾いていた大気に徐々に湿気が溶け込み始め、頬を撫でる風の感触にも水蒸気を感じる。 南海洋の湿気は列島を南から覆い、大陸の縁辺をも脅かす。 この水分こそが即ち夏の本体であり、強烈な陽光を待って成層圏をも浸食するのだ。 そんな夏の気…

漢字の魅力

漢字の成り立ちを調べてゐると、いつのまにか時間を遡ってゐることに気付く。 どの一文字を見ても興味深く、複合的な構造を持つものほどその奥行きも深い。 そして今、活字化されたその果ての姿を用ひて我々は意味や意志を伝え合い、語り合ってゐるのだ。 ア…

関東漂流

東京に行って来た。千葉にも行ったし、横浜中華街にも行った。関東を慌ただしく駆けめぐり、漂流した4日間だった。 六本木ヒルズに初めて行ってみた。アトリウムのエスカレーターを昇り、エントランスアプローチに出ると、そこにはKPF設計の巨大な森タワー…

赤チン・白チン?

指先を切ったので、赤チンを塗っておいた。 傷にしみないし、手を洗っても容易に洗い流されないので、便利な薬だ。正式にはマーキュロクロム液。外皮用殺菌消毒剤だけど、化学式を見てみると水銀化合物であることがわかった。 そういえば乾いた部分を照明に…

仮面の魔力

三星堆遺跡出土の仮面を眺めていると、つくづく古代人の造形力というか認識力というか表現力というか何というか、文物に込められたさまざまな情念や心情や感興の凄さをしみじみと感じるのだ。 こういうかむばせをした人物が本当に存在したのかもしれないな、…

モノ派?ヒト派?

自然科学分野の進歩により、年代測定の精度も飛躍的に高まってきた。考古学者によって積み重ねられてきた情報の蓄積を科学的データが補強し、研究成果に奥行きがもたらされてきたような気がする。 考古学とは本来文化人類学的学問分野の重要な一部門であり、…

天空の目

俗にスパイ衛星と呼ばれるものが、実はかなりの数地球軌道上を周回しているらしい。 今やその精度は驚くべきレベルに達していて、地上に存在する2mほどの物体なら識別可能であるという。2mということは成人の背丈に近い数値であり、人によっては個人の識…

暦とは別に、自分にとっての「夏のはじまり」はたいへん具体的な物の登場で体感される。 蚊取り線香を使い始めた日、その日その時が、僕にとっての夏の開始なのだ。 今年の夏は、昨日から始まった。庭で蚊に刺されたこともあって、準備しておいた蚊取り線香…

コトバのこととか・・・

コトバの使い方、おかしくない? 今とっても気になってイヤなのは、「とか」と「なります」だな。実例をいくつか挙げようか。 「私とかって、メールとかけっこう好きだし、手紙とかいまどき出さないし〜・・・」 「渋谷とかよく行く?」「新宿とかのほうが多…

モンパルナスの夢

デルフィに行きたいな、と思った。 予言の神アポロンの聖地、パルナソス山腹にあってコリントス湾を臨む神話の地。 そこには「世界の臍」と呼ばれる聖石オムパロスがあって、アポロン神殿で下される神託を聞くために、地中海一円から無数の巡礼者が押し寄せ…

優先順位

庭の木イチゴの成熟が始まった。 花が済んで花びらが落ち、黒ずんだつぶつぶの集合体が徐々に大きくなり、そしてある日突然それぞれの実に電気がついたようにオレンジ色に熟し始める。毎日次々と熟すので、毎朝数十粒を摘んで食べる日々がしばらく続く。幸せ…

メメント・モリ

急性骨髄性白血病。 大学生の頃、その恐ろしい病気で親友を亡くしている。何度も何度も彼のために成分献血にでかけたし、当時治療に良いと言われていたことは、彼のご両親ともどもあらゆることを積極的に行った。 今では片手に刺した1本のチューブで成分献…

終末の風景

人類終末の風景を、どこか遠くから眺めていたいな、と思う。 人類という種は、どのような滅び方をするのだろうか? 病原体、ウイルス、気候変動、戦争や殺戮、宇宙人の侵攻? 地球という惑星に寄生する一種族である人類が滅ぼうとも、地球そのものの存続には…

想像力の地平線

スター・トレックを見始めたのは中学生の頃だったろうか。テレビ番組で、「宇宙大作戦」という、今から思えば時代を反映した大仰な名前で放送されていたのだ。 当然のことだけど、今から見れば幼稚なセットや合成画面であったものの、物語の展開は時に難解で…

壺形の宇宙

俗に言う「前方後円墳」の形状は、いったい何を模したものであろうか。 そもそも聞き慣れた前方後円とは、何を根拠に前後を決めているのか不明であるが、数ある名称のうちで一説という註釈付きながらも、かくも広く普及した理由は、教科書での取り扱いにある…

それぞれの言い分

「スフィンクスの髭」という言葉を聞いたことがある。 それはエジプトのギザの三大ピラミッド前に鎮座する著名なスフィンクスの一部だったもので、大英博物館に保存されているというのだ。 実際に展示はされていないようなその石塊が持つ意味は、極めて大き…

かくなる上は・・・

アニメ映画はよほどのことがない限り観ない。よほどのこととは、「ジブリの作品が発表された時」という場合が多かったわけだが、先日見た「イノセンス」の場合は何か混沌として難解で理不尽で不可解なものが立ちこめていたが、部分部分に発現する、何か覗い…

ベルリンの天使

ベルリンが統一ドイツの首都に復活してから、もう何年になるのだろうか。 たまにテレビニュースの背景に写る、ライヒスタークこと旧帝国議会議事堂の奇抜な改築後の偉容は、どうしても実際に見てみたいな。 ベルリンに潜伏していたのは1988年7月の約1…

羽化未詳

昨日の夕方、庭の片隅で蝶の羽化する兆しを発見し、深夜にかけて時々覗いていた。 結局夜明け前の曇り空を見て、皆既月食の観察は諦めてしまったこともあって、ついつい眠ってしまった。 目覚めたのは昼前だったが、急いで庭に出向くとすでに羽化は終わって…

文字荘厳

現代的中華世界は、文字に満ちた世界でもある。 いつどこにいっても見かけるのは、赤(紅)や金色で彩られた標語の数々だ。未来や指導者の偉大さを語る標語に満ちた世界ほど、現実は貧しく荒んでいることが多いものだ。 かつての中国はそうだった。「為人民…

初夏の匂い

すでに気候は八十八夜ということで、暦通りに庭の茶の木も芽吹いている。 常緑樹なので年中緑なのだけど、やはり新芽のみずみずしさは格別で、ちょっとつまんで食べてみたり、そんなことの無限の積み重ねが経験的かつ本能的に蓄積され、知識となってお茶の利…

Ayers Rock

オーストラリアには行ったことがない。その代わりと言っては何だが、友だちが何人かでかけていて、情報のかけらやイメージの断片だけはいくつも持っている。 アボリジニの文化や生活、大自然の風景、独特の動物やイギリス風の建築物などなど、特にこれといっ…

無限増殖

草間弥生の心理的な強迫観念である水玉世界は、永遠に増殖を続けているようだ。 彼女を見かけたのは15年以上前、1度きりのこと。知り合いの陶芸家と同じコンペ会場に、突如として降臨された。 その頃は黄色い水玉カボチャをもの凄い勢いで増殖させていた…