赤チン・白チン?

二色鉛筆も絶滅危惧種?

指先を切ったので、赤チンを塗っておいた。
傷にしみないし、手を洗っても容易に洗い流されないので、便利な薬だ。正式にはマーキュロクロム液。外皮用殺菌消毒剤だけど、化学式を見てみると水銀化合物であることがわかった。
そういえば乾いた部分を照明に翳すと、虹色のような金属光沢が現れる。水銀っぽさの現れ?
有機水銀化合物と聞くと、最近では人体に有害な物質としてしばしば報道されるような毒物ばかりというイメージがある。薬なんていうものは毒と紙一重のものばかりだから、要は使用量と使用方法さえ制御されているだけのことなのだ。
昔はどの家庭にもあって常に身近に置かれていた常備薬なのだが、製造過程で水銀が関わるために日本では製造中止になっていたらしい。
仕事先で真っ赤な僕の指先を見た若い女の子、「どーしたんですかぁ〜〜!?」と大仰に驚いている。どうやら赤いのが全部血だと思ったらしい。
聞けば案の定、赤チンなんて知りませ〜ん、との御言葉。
「こーゆー傷薬もこの世にはあるのだよ」と、若い子を諭すやうに蘊蓄を述べるおぢさんでありました。