2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

盗掘者よ!

心なき者が、笹百合を盗んで行った。 最後に確認したのは一昨日の夕方なので、昨日か今朝か、盗掘者は小さなスコップを手にしてやってきたのだ。そこは自転車専用道路であり、自動車が入ることはできない舗装道路の脇。自転車で往来する人の多くは観光客で、…

そつ無きものども

ニコール・キッドマンの年齢を改めて知って驚くばかりだが、今回の The Interpreter における彼女の存在感は、「ドッグヴィル」や「めぐりあう時間たち」の時よりも若くなったやうな気さへする。老獪なシドニー・ポラックにどのやうなコネクションが有ったの…

無限細分

Sir ゲオルグ・ショルティはあのやうに厳しく恐ろしい顔つきをしてゐるので、だうしても気迫や勢ひのみで指揮してゐるやうに思はれがちだが、必ずしもさうではないのだらうな、などと思った。1994年のウィーン・フィルを率ゐて来日した時の模様、ベートーベ…

おろしや工作

水晶は左手で掴み、体内の気の循環を加速せしむる。 (-_-)? 長澤君の協力を得て、細片化した偉大な資料に番号を付し、個別にプラスチック袋に封入する。何時終はるとも知れぬ工作の連続に、時折音楽式ブレイクを挟みつつも、断続的に夜遅くまで。 途中、お…

走れ!

好天晴天、窓を全開して、車を走らせる。BGMはベートーベンの交響曲第6番なのだけど、カルロス・クライバーの天国的な演奏はさておき、大江戸直輸入の別の2枚、ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団(1959年)盤はスーパー・ビット・マッピング方式デジ…

はじまり

今天より夏になった。 即ち、我輩の陋屋でいよいよ蚊取り線香の使用が開始されたてうことだ。昨年の夏は5月15日に始まっており、今年より10日も早い。この相違が即ち、昨年の猛暑だの異常気象の一端を物語ってゐる・・・てう単純な話をするつもりは無いが、…

季節解題

美しい夜明け。無人の街。明瞭な風景。寝不足の我輩を迎へてくれたのは、狂ひ咲いた深紅の薔薇と淡き桃色の睡蓮1輪。鍵は無いが、きちんと閉めておいた玄関の扉が少し開いてゐて、何者かが覗きたりける痕跡有り。常なること故、今更騒がず。 郵便受けには7…

境界思案

巣鴨を脱出した我輩は、秘密裏に両国に向かった。今天の目的は絲綢之路展であり、あたかも国技館を目指すふりをしてその実は、稀代の超級巨大無用建築物である江戸東京博物館に向かったのであった。知性のかけらもエスプリも、何も感じることも出来ない無骨…

マルジゾウ?

今天の特筆は巣鴨のマルジだ。地蔵通り商店街のほぼ中央、通りを挟んで何店舗も展開するその様子は頼もしい限りだ。店のキャッチフレーズは「良い品が常に安い、生活衣料のマルジ」 今や赤パンツと言へばマルジだが、この店の凄さは店頭や最深部に有る。内部…

俄国際的

飯田橋のユースホステル、今回は8人部屋。宿泊客の内訳はニュージーランド人1、ドイツ人1、メリケン人2、韓国人1、日本人2と、ベッドのカーテンを閉めて最後まで姿を現さなかった謎の旅人1てう有り様。驚いたのは外人勢のうちの4人が愛・地球博がら…

1888年の或る夜

最終日間近の大混雑大覚悟大承知之上で出かけた東京国立近代美術館、地下鉄の竹橋駅を降りた時点から既にただならぬ人混みと雰囲気。おばさまを中心とした年輩者が圧倒的に多いが、若いカップルや学生たちの姿もある。両側のホームが人間で溢れ、一方向に向…

三昧

逐電中! (~|~)

南方的快楽

SINGHA は泰国の麦酒。San Miguel(生力)は香港の麦酒。Tiger は新加坡の麦酒。Angkor は柬埔寨の麦酒。333(バーバーバー)は越南の麦酒。 いずれも南方独特の淡麗な味わい。南海洋の湿気と熱気に満ちた気候の中では、これらの冷ゑた麦酒は最高の飲み…

飛蝶効果

タイムパラドックスやタイムトラベルを扱った作品はいくつも有るが、「バタフライ・エフェクト」の分類は不能だな。SFでもスリラーでも、ホラーでもサスペンスでも無いし、それらの全ての要素が交錯してゐる作品だ。濃厚な、超バター臭い顔立ちのアシュト…

王国の興亡

リドリー・スコットは果敢だな。斯くも重厚な主題をこの時代に問ふてうことは、なかなか勇気の要ることだ。 KINGDOM OF HEAVEN 今なほ中世どころか、古代の価値観と摂理に因って蠕動してゐるエルサレムのこと、何をどのやうに取り扱ってもいずれかの側に立た…

虚数銀河

昨日の深夜のこと、一息つかうと中庭に出たのが午前3時頃。西の山から梟のやうな鳴き声が低く響いてきたので、ふと暗闇の彼方を見上げたところ、頭上は満天の星。闇に目が慣れれば慣れるほど、見ゆる星の数は徐々に増し、玄関の正面即ち南天に屹立する銀河…

亀茲之夢

鳩摩羅什の語る亀茲国の盛衰。電視節目「新絲綢之路」、今回の故事はなかなか巧みに古代仏教国の歴史や仏典の内容を語ってゐた。多少演出過剰なところもあったけど、矢張り石坂浩二のナレーションが素晴らしいのだ。 庫車(クチャ)は2度訪れたことがあるが…

要不要?

はっきりしない天気。 早朝からゴミ出し。今天は紙類・衣類・布類だが、これは先月から新設された種類だ。用意しておいた不要になった衣料の束を3束、ぎうにうパックを半年分、段ボールの束を2束と、新聞紙などを2束出す。7時をちょっと過ぎた時間にもか…

LET IT BEING THERE

確かに、昔から聴き慣れた LET IT BE と違って、ストリングスに埋もれてゐたピアノの音や、エフェクトの殆ど無い声の響きは新鮮だ。 特に THE LONG AND WINDING ROAD や、ACROSS THE UNIVERSE など、リバーブ以外の効果はあまり無いみたいで、アコースティッ…

電脳的常見問題

「目刺し」と書いてあるわりに、買ったイワシは「口刺し」だった。昔は目を藁や竹籤が貫いてゐたのだらうね。旨みはたっぷりなので、名前の由来はこの際さておくことにしやう。今天は純和食・・・と言ひたいが、主食である米の5割は泰米だ。残りの5割も玄…

脳内薄荷

今宵開けた葡萄酒はCabernet Sauvignonだが、そのまま読めば「カベルネ・ソーヴィニヨン」てうことになると思ひきや、「カルベネ・ソーヴィニヨン」と呼ぶらしいのだ。いずれにせよ産地はボルドーなのだが、原料となる葡萄の種類名が、「カルベネ・ソーヴィ…

大上梓

大往復、252km、両半島の先から先まで、行きも帰りも海底トンネルを走行せり。気持ちよい乾いた風に、窓全開で走ってゐたら、何だか目が痒くなってしまった。まんだ何か花粉が浮遊せるや? (>_ 艱難辛苦の果てにやうやう、大部なる報告書完成。見返さば些細…

弛緩する惑星

今年初めて、蚊虫に喰はれた。それも一度に3箇所も・・・ いよいよ、虫との戦ひが開始されたのだ。啓蟄過ぎれば虫の胎動は必定にて、既に先日のシロアリ羽化(2箇所)に始まり、ミニムカデの侵入、各種羽虫の発生、蠅と蜂(アシナガバチ)の飛来などなど、…

時文流

学生の頃買った一群の古書を整理してゐたら、昭和13年の語学教科書『最新支那時文』が出てきた。勿論戦時下のものであり、内容に用ひられた例文はそのやうな状況を色濃く反映したもの、てうか状況そのものを現したものであった。冒頭に掲げられた「凡例」に…

SWING OUT FLOWER

曇雲たちまち去り、晴天回復。灰色雲を吹き飛ばしたのは、大陸からの北西風。春らしからぬほど、ばうばうと吹き荒ぶ。 客人に因る電脳内部硬件増設工作を横目に、朝食とも昼食とも知れぬ食事をむしゃむしゃむしゃむしゃと喰ふ。基本軟件注入は電脳の自主性に…

遠来橋

朋友、もののけの肉を持ち来たりけるに、印度式カレー中に加へ煮込めば、忽ち臭みも消へ去り、美味しき一品へと変貌せり。熟れたる西紅柿(トマト)と萵苣(ちしゃ=レタス)の沙拉(サラダ)添へて、皆でむしゃむしゃ喰へり。 (~|~)美味、太好吃了! 外は晩…

小事故的小故事

バイクで逐電途上、田舎のよろづ屋の駐車場に出てゐたタコ焼き屋に立ち寄った。若夫婦の切り盛りする小さな店だったが、みたらしだんごやお好み焼きもメニューにあって、よろづ屋帰りの客や近所の子供らでけっこう繁盛してゐる様子。6個入りが230円てう割り…

可楽口福

年に何度か、なぜか無性にコーラが飲みたくなることが有る。 今天の発作は、海岸沿いの自転車道走行中に起こった。去年の9月頃飲んで以来、半年ぶりのコーラを買ひに、コンビニに立ち寄った。単純にコカコーラを買うつもりだったが、すぐ前のお兄ちゃんがコ…

待ち惚け

国民党党首としての連戦氏の訪中、確かに歴史的なことだ。でも何かお互ひ含みが多過ぎて、少一定儿イヤな感じ。大陸同胞からの親愛の象徴は熊猫の一組み。台湾同胞からのお返しは赤毛猿とのこと。更には台湾観光の開放。それにしても「非常愉快」?真的?? …

お互い様々

自動車やバイクで方々を走ってゐると、この春はやけにツツジが目立つ。 勿論天候との兼ね合ひも大きいだらうが、どこもかしこも何か爆発的に咲いてゐるのだ。ツツジとは本来かういふものかもしれないが、何か少し異様なものを感じる。さう言へば、去年の夏は…