虚数銀河

いとやはらかき

昨日の深夜のこと、一息つかうと中庭に出たのが午前3時頃。西の山から梟のやうな鳴き声が低く響いてきたので、ふと暗闇の彼方を見上げたところ、頭上は満天の星。闇に目が慣れれば慣れるほど、見ゆる星の数は徐々に増し、玄関の正面即ち南天に屹立する銀河を認む。蠍の毒尾は銀河の中に吊され、銀河系大円盤中心に濃厚に分布する暗黒物質の帯状分布の細長い入り江までも、冬天の如く明瞭に天空に在る。潮騒も遠く低く、銀河の軋み乍ら回転する漠然たる虚音さへ静謐裏に咆吼。魂を抜かれ、時を忘れ、立ち竦み眺め続けてゐた。御陰で今朝は寝坊せり。
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爽やかな陽光に、葡萄の葉眩し。

ウィリアム・クリスティとレザール・フロリサンの肖像