そつ無きものども

笹百合、開花間近

ニコール・キッドマンの年齢を改めて知って驚くばかりだが、今回の The Interpreter における彼女の存在感は、「ドッグヴィル」や「めぐりあう時間たち」の時よりも若くなったやうな気さへする。老獪なシドニー・ポラックにどのやうなコネクションが有ったのかは不知道了だが、紐育の国連本部ビルを舐めるやうにロケした作品だ。ショーン・ペンとニコール嬢の組み合わせも、必要以上にべたつかず不自然な濡れ場も無く、ほっとする。なぜならば、壮大なスケールの作品も奥深い社会の闇を取り扱った作品も、詰まる話が恋人だの夫婦や子供たちと抱き合って終はり・・・このパターンにはいいかげんウンザリだからね。(-_-)
アフリカの仮想国における内戦や政治闘争を背景に、彷徨ふアイデンティティーや個人と国家の関係を巧みに絡めた、いはば「そつの無い」作品だったが、ショーン・ペンのプライベートエピソードは余分だと思った。それにしてもニコール嬢の、目の覚めるやうな美しさ。懊悩も陰も「そつ無く」こなし、気高くも鋭い瞳。「ムーラン・ルージュ」は例外として、1作ごとに演技の幅を広げ続ける怪物。「アザーズ」や「めぐりあう…」で見せた神経質な側面が、意外にも本人の本質に一番近いやうな気がするが、これとてイメージの産物。だらうね・・・(-_-)

ザ・インタープリター (徳間文庫)

終日小雨、降ったり止んだり。いよいよ梅雨の走り?