関東漂流

蜘蛛的人生

東京に行って来た。千葉にも行ったし、横浜中華街にも行った。関東を慌ただしく駆けめぐり、漂流した4日間だった。
六本木ヒルズに初めて行ってみた。アトリウムのエスカレーターを昇り、エントランスアプローチに出ると、そこにはKPF設計の巨大な森タワーが屹立している。思わず上空を見上げてしまうも、全体構造を把握するためには不十分な広さで、そこから奥の方へ複雑な屈曲を持ったプロムナードが続いている。
ここは一つの街と考えるべき空間で、起伏に富んで奥行きが深く、魅力的でもあり不便そうでもある。
エントランス広場には巨大な蜘蛛のオブジェが置かれていて、不気味に黒光りする様子や細部を眺めていると、なぜか金子光晴の詩を思い出した。
その後連想は連続的に展開し、「どくろ杯」「ねむれ巴里」「西ひがし」の所謂漂泊三部作に至った。
但し、感傷の涙は次回のためにとっておこう。