初夏の匂い

一芯二葉?

すでに気候は八十八夜ということで、暦通りに庭の茶の木も芽吹いている。
常緑樹なので年中緑なのだけど、やはり新芽のみずみずしさは格別で、ちょっとつまんで食べてみたり、そんなことの無限の積み重ねが経験的かつ本能的に蓄積され、知識となってお茶の利用にまで至ったのだろう。
昨年は条件がよかったのか、摘んだ新芽を軽く発酵させて、烏龍茶もどきの微発酵茶を作ることに成功した。今年は摘んだ日が曇りで、多少気温が低かったことやいろんな条件がなんたらかんたらでさほど発酵に至らず、半ば青いまま、先ほど焙烙で煎って発酵を止め、仕上げにかかった。
茶の木は飲んで良し姿良し、花は白く可憐でこぼれるように咲き、非の打ち所がないほどの植物だ。同じツバキ科でも椿や山茶花などは飲用には不向きだが、いずれも所謂絵になる植物たちで、常に身近に置いておきたい植物の代表だ。
それにしても同じ茶の葉が、緑茶・抹茶・烏龍茶・紅茶などさまざまな様相に変化するわけで、そういう利用法を編み出していった人間の知恵にも感心する。
庭にあるのはたった2本の茶の木だけども、次に出る二番芽では烏龍茶に再び挑戦してみやう。