文字荘厳

三個の?

現代的中華世界は、文字に満ちた世界でもある。
いつどこにいっても見かけるのは、赤(紅)や金色で彩られた標語の数々だ。未来や指導者の偉大さを語る標語に満ちた世界ほど、現実は貧しく荒んでいることが多いものだ。
かつての中国はそうだった。「為人民的服務」だの「顧客至上」と巨大な文字で書かれた標語の下には、鉄面皮で部愛想を極めたような服務員が尊大な態度で座っていたものだ。こちらからの問いかけに、答えどころか反応すら示さない輩もたくさん居た。
そんな「没有」に満ちた風景も今や影を潜めてしまった。
それでもなお、漢字の持つ魔力は強力で、巨大な文字で荘厳された風景に足を止めることしばしである。