僧坊探訪

森の樹木にも春の気配

今天は晴るるにまかせ、普門寺へ。
国道42号をひたすら東へ走って行くと、彼方に尋常ならざる雪山の姿。果たして、今年初めて見る富士山の勇姿であったのだが、さてこの距離この視界なれば、紀元前より幾度となく発生した大噴火も、当地の人々は茫洋呆然と眺めてゐたに相違ない。溶岩流や火砕流山麓へ、火山灰の殆どは江戸方面に靡くのが常であらうから、地震津波などの関連被害を除いては傍観者で居られたはずだ。
(-_-)ふむ・・・
           
1時間ほどのドライブ中、富士山は見へつ隠れつ。冬の日の、しかも午前中に以前はよく見ることが出来た富士山も、最近ではなかなか見られないとのこと。温暖化で空気中の水蒸気量が増えてゐるのか、はたまた別の理由があるのかは不明。
普門寺へはいつものやうにISKW氏に同行し、前回時間切れで十分確認できなかった平場の再確認。気になるのは他の平場には見られない岩石配置のレイアウト。勿論、宝篋印塔の残欠や五輪塔の空風輪なども付近に転がってゐるので、鎌倉時代以後も僧坊などが営まれてゐた可能性も高いが、大まかなレイアウトの把握と文物の表採などを行ふ。此処で、さまざまな遺跡を渉猟して表採を続けてゐる二人の郷土史家と合流し、先般彼らによって採集された稀代の珍品の発見地点を聴取確認。ナルホド、発見地点は出水によって崩落し斜面に押し出された沢の瓦礫の中てうことで、実際に用ひられたのは1段上の平場であったと考へるべきかとぞ思ふ。
今天は最近にしては比較的暖かい方で、森林に吹き渡る風も弱く、寧ろ心地よい。予定した探査を早めに切り上げて、収集家の蒐集品を見学に。さまざまな遺跡から採集された各種文物が集積されており、其の熱心さに驚くばかり。殆どのものは採集地点が記録されてゐるので、考古学的情報として活用も出来さうだ。古手の石器類はまた別の機会に詳しく拝見することにいたしませう。
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