風花の行方

象徴的な断面

気が付けば強風は夜明け前より徐々に静まりつつあり、朝の庭にはらははと風花の舞ひたりける。
雁合遺跡の後片付けのため現場に出向き、道路予定地の延長上から次第に接近しつつある重機を横目に、道具類や土嚢を集める作業をおこなった。遮るものの無い現場に来るとそれなりに、実はまだまだ風も強く、一見風流な風花も此の地では頬に吹き付けるのであった。
そのうち青空の欠片が姿を消し、巨大な灰色雲とともに彼方から、なにやらもわっとした白い塊がやってくる。数分後、それが吹き寄せる雪の壁であることを知ることになるのだが、そのただ中では息も出来ないほどの寒さ冷たさ。
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調査の済んだ部分の隣接地が、ひょっとしたら継続的に調査できる可能性も生まれつつあって、それはそれで嬉しいことなのだけれど、そちらも工事予定地内のことなれば緊急調査に変はりはなく、複雑な心境。でも、基本層序の把握や遺物遺構の在り方は今回の調査で概ね把握できたため、調査の必要な範囲さへ確定できれば効率よく調査出来るかも知れない。
各部署担当者同士の意見や工程調整の結果、明天表土剥ぎに取りかかることに・・・
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風が強すぎて雪の積もる様子ではなかったが、吹雪のやうな様相になってきたため作業は中断し、資料館の収蔵庫に待避して屋内工作に切り替へ。
それにしても現場で無意識のまま、各種遺構にSKだのSXだのSBだのてう記号を振って平面図を作成してゐたが、よく考へたらそもそも全ての頭にSが付く必要など無いやうだし、畢竟個々が識別できればよいのだから遺跡毎や報告書毎、はたまた自治体毎に統一されてゐればよいのだらう。理想は日本国内統一記号なのだらうが、結果的に其処に至るとしても、一度記号の根本を再考してみる価値はある。
以前A遺跡で実験的におこなってみたのが、通番優先方式。アルファベット記号は遺構の解釈または属性の表現であるからして、「初めに通番ありき」でも一向に構はないはずだ。でも習慣の壁は重厚長大且つ強固で、打破至難。余り意味のないことから改めて行かねば、進む話しも進まない。何もかもがNaBunKen方式に従ふことはないのだし、盲目的な追従には意味も無ささうだ。
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雪雲の到来せり!