雁合式3

ほぼ完掘されたピカピカの検出面

ぴりりと寒く、冬らしい朝、庭の蹲ひに薄氷。
恒例的内容の朝食を三人で、むしゃむしゃむしゃむしゃと喰ふのだが、今回細身のISGR女史が意外にも「八瀬の窯風呂」ぢゃーなくって「痩せの大喰ひ」ではないかてう疑惑が沸き起こり、御本人様も無碍に否定するワケでもなく、食パンなど3枚をぺろり。屋外工作は厳しく激しいので、女性と雖も朝からしっかり食べることはたいへんよろしきことかとぞ思ふ。
(-_-)
           
さて、雁合遺跡の緊急調査、我々に許された時間も徐々に底に近づき、基本的な検出面で認識された主要遺構の掘削もほぼ終了しつつある。しかし、主として縄文早期の遺構が掘り込まれた地山面に部分的に存在することが予想される旧石器時代後葉〜縄文時代草創期の遺物包含層の様相が把握し切れてゐない。是ばかりは早期面を完全にリセットして再掘削及び再検出するほかは無いのだが、取り敢へず石器や剥片の比較的多く出土するグリッドを優先し、集中的に発掘することにした。
今天の見学者は地元三河地区の研究者有志二名様および、三重県からお越しの埋文関係者二名様ほか。嘗て吉胡貝塚の調査をお手伝ひ頂き、此の土地にも縁浅からぬkenさんとも久しぶりに再会出来ました。
三重の方々、奇しくも最近、東名阪の拡幅工事現場でほぼ同時期の炉穴2基を検出されましたとのこと。この類例も含めて、伊勢湾西岸の情報は比較的豊富ですが、東岸は希薄。でも浜名湖周辺に行くとまた類例が増加するのですね。豊橋方面でも類例増加中であり、ひょっとして炉穴は一種の埋蔵教典なのかしらむ?
今を遡る八千年以上も前に、縄文人の掘削した炉穴や住居の痕跡が、時空を経て因果律を発露させ、今日の我々の発掘工作や研究者の訪問の誘因となった。各々の研究者の興味主体やアプローチの方向性は違ふのだらうが、此の小さな新発見情報がさまざまな人の心や行動に影響を及ぼしたことは確かなことだ。改めて感慨深きことと・・・
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ISGR女史は午前中で元気に帰宅されましたが、入れ替はりにNKGM君がお手伝ひに参加され、夕刻まで果敢にツルハシ振り回して頂きました。一方、OGR君には三日間を通じて参加いただきましたが、さすがに今夕には電池切れの様子でしたね。
学生諸君や御協力いただきました皆様に感謝<(_ _)>
              
何に見へますか?
実は早期の住居址で御座ゐます
               
               
           
でもやはり、天気予報は明天「雪」と申しておりまして・・・