花梨の心

いざや、よや

花梨を漬け込む。
要領は梅酒などの果実酒と同じ。しかし花梨本体からは果汁が出るわけでもないので、アルコールで芳香や薬効成分を抽出することが目的になるのだ。
花梨てうは不思議な果物で、あれほど強い芳香を放ちながらも、果肉が美味しいわけでもなく、果汁が絞れるわけでもない。以前に漬けた花梨は長野で買ってきたもので、果実の表面が毛で覆はれてゐたと記憶してゐる。今回は超級市場の店頭で売れ残って半額になってゐたものだが、全体に小振りで表面は果実本体に由来するワックスでつるりとしてゐる。洗い四つ割りにしてみると、芯に沿ってずらりと種が並んでゐる。香りや形状から察するに、洋梨の類に属するのではないだらうか。
果実6個、600gの氷砂糖、それに1.8リットルのホワイトリカーをなみなみと注ぎ込み、お蔵入り。先のモノは程良い機会に果実を取り出すことを怠った為、酒が必要以上に黒ずんでしまった。今回は取り出すタイミングに注意しやう。
(^_^;)