妖艶なる

洋梨、用無しに非ず

ル・レクチェは洋梨の一種。
今回いただいたものは、新潟県加茂市やまげん果樹園のエコファーマー捧昌弘氏の育てたもの。信濃川流域は知る人ぞ知る果樹栽培地帯。新潟は米や日本酒ばかりならず、ブルボンやらのっぺ汁やら地震やら拉致やら桐箪笥やら火焔土器やら良寛やら田中角栄やら上杉謙信やら前島密やら北一輝やら会津八一やら三波春男やら坂口安吾やら山本五十六やらプリンセス・テンコーやら細野正文やら旭日斎天禁先生やら何やらかんやら、何かと話題が多く存在感有る縣だな、などとつくづく思ふ。
先日全国最年少知事として、また涙での訴えで有名になった泉田君は捧君の中学の同級生てうことで、さすれば自動的に天禁先生の同級生でもあるワケで三位一体?、天禁先生が捧君の生産したル・レクチェを偉人に贈られるてうことは、明治村の梶田君や中京テレビの板谷アナウンサーが新潟出身であるてうことを差し引いても、偉人と新潟の並々ならぬ結びつきの深さを物語るものであるのかないのかは、不明である。
とにかく今では洋梨ラ・フランスはすっかり有名になってしまったワケだが、このル・レクチェはまだまだ高級果樹であり、神秘的な存在だ。開封したとたんに洋梨特有のへうたんの如きいびつな風貌をした黄緑色の実がごろっと出てくるが、すでにその甘い香りが一瞬にして室内に漂ひ、風貌も実に妖艶で官能的だ。まだ食べない。同封された栞によれば、みどりがかった果実の色が熟すにつれて鮮やかなブライトイエローに変化してくるのだてうこと。食べ頃の判断は触感でも確認できるやうで、「指で触れたときの柔らかめの感触」が大切なそうなげなぜ。要するに食べ頃三兄弟てうか三要素てうか三条件である、「ブライトイエローの果皮・柔らかめの触感・芳醇な香り」が惑星直列状態になった瞬間、食べなければならないのだ。我が家のル・レクチェは現在この三大条件が73%ほど達成されつつあるのであり、虎視眈々と日々是丹精、日々是凝視、日々是超然なりけり。
(*^_^*)