異種珈琲

大いに焙煎中

大いに晴れて、暑い。日差しは既に真夏並みだ。
台風で荒廃した庭の修復をするかたわら、いただいたタンポポの根を使って所謂「蒲公英珈琲=タンポポ・コーヒー」を作る。すでにほどよく乾燥させた根をハサミでできるだけ均等な大きさに切り、コンロにかけた焙烙で焙煎する。弱火で常に転がしながら、辛抱強く煎るのだ。5分も経たないうちに香ばしい煙が立ち昇りはじめ、徐々に根が色付いてくる。あまり黒くしてしまうと苦みばかりが出てしまうので、ほどよい色合いで止めなければならないのだが、深煎りの珈琲豆とほぼ同じ色をメドにしなければならないのだ。大きな焙烙だけど一度に大量に乗せてしまうと細かなかけらが炭化してしまい、都合が悪い。もどかしいけど何度かに分けて煎り続けるしかないのだ。
全部を煎り終わったあとは、荒熱を取って挽きにかかる。手回しのミルでも良いのだが、切った根のかけらが均一の大きさではないのでなかなか難しい。考えた結果、擂り鉢と擂り粉木に辿り着いたのだが、細かな調整が出来るのでなかなか調子よろしい。
黄昏時に早速1杯、蒲公英珈琲飲む。見た目はディープ・ローストのフレンチカフェみたいだけど、味はまろやかで、香ばしい香り。なるほど、古くから胃腸薬にも用いられてきただけのことはあるな。食欲を増す健胃作用があるのだ。フランスで時々飲んでいたチコリコーヒーの味に似ている。こっちは肝臓によろしいとのこと。食欲は出たけど、今夜は蕎麦の予定なので極めて精進的食生活。