大動揺

太平の眠りを覚ます大地震 たった5秒で二度寝もならず
  
といっても、昨夜床に就いたのは4時頃だったから、1時間ほどしか眠れなかったワケだ。
地震と台風の同期に関して、数日前からのイヤな予感が当たって仕舞ったやうだが、公表では当地の震度は4弱。実感的には震度3ほどだったが、ゆっさゆっさと不気味な横揺れが長く、蚊帳の繭玉を掻き分けて庭に飛び出してみると、水桶の水面が全て波紋を呈し時折波頭が飛び跳ね砕けて、不気味此の上無い。
そして、東南方向に虹? いや、恐らく彩雲だらう。世界が滅びる時に出現するてう、虹色のカミの姿の残照なのかもしれない・・・
我が陋屋は大いなる老屋故、周囲の他の一般住宅より共振単位が長い可能性が高いが、結局今回の揺れに因って、前から落ちかかってゐた物置の土壁が一部崩落し、これまた崩落寸前だった長屋の端の屋根瓦が1〜2枚落下。敷居や鴨居の歪みに因って殆ど動かなかった引き戸が数枚、完全に動かなくなって仕舞った様子。陋屋故致し方あるまいが、改めて地震の恐ろしきことを思ひ知る也。
其ノ後の発表に因れば、今回の地震は世に言ふ東海地震とは違ふメカニズムで発生したものと評価されたやうだが、プレート境界面に与へる影響は極めて大きいはずで、東海〜東南海地方への連鎖を予想するのが自然だらう。
  
遅かれ早かれ、やがて此の世は壊滅するのだが・・・
覚悟はあるか?
世界の滅び行く様を我が目で直視する、覚悟はあるのか?
   
   
さて、幸ひなことに宮西遺跡の調査区に大規模な崩落も無く、ただ湧水と排水に腐心し乍らの終盤追ひ込みとなった。
台風に因って持ち込まれた南風により、日中の気温は35度近くにもなりなむが、幸ひ地表あたりは風も強く、数値ほどの気温は実感されなかった様子。
調査実習工作活動も愈々終盤に入り、各区ではセクション面の測量図化や遺物出土ポイントの測量が進められつつある。
残された時間には明確に限りがあるので、逆算した上で有効に作業が進められますやうに。
ところで学生諸君、調査区埋め戻しの体力は残ってゐるかしらむ?
   

 

 

 

 

 

暑さによる幻覚で、山の頂部が石槍の形に見へる・・・
何、水中ポンプよりバケツリレーの方が早いって?!
 

薄手の木葉形尖頭器(加工途上?)
   
   
   
台風は南方の熱気を列島にもたらしたが、暫く地表近くに沈殿停滞してゐた湿気を東に持ち去って行った。
黄昏過ぎてやうやう天高く、風の動きと雲の様相に初めて、秋の片鱗を感得せり。
渚の上空には魚の形をした雲が飛翔し、沖の方では火の鳥の光芒が赤く切なく光り輝く。