余波警戒

南方から無限に押し寄せる凄まじい湿気に、磯と渚で砕け散る波頭の飛沫が混合され、外に出してある全てのものは潮気を被り、表面が曇りべたつく。
昨夕フロントガラスを洗ったばかりの自動車も、朝起きてみればまるで曇り硝子の如く汚れて仕舞っており、改めて驚く。
勿論、部屋の中でいくら扇風機をぶむぶむと回してゐても、何となく涼しく感じるのは恐らく気の所為の範疇であらう。
結局当地方に於ける台風の影響は昨夜の短時間の大雨だけだったが、近畿や関東では大変な暴雨になってゐるやうだ。肝心の台風本体は未だ南方海上にゐて、虎視眈々と列島を狙って北上を続けており、其の影響は今夜が山場になるやうだ。
宮西遺跡の現場では、心配してゐた壁面崩落は各調査区とも免れたやうだが、いずれの調査区も遺物包含層の掘削面は水没して仕舞った様子。因って今天の調査は、湧水を汲み出し乍らの作業を余儀なくされ、これもなかなか得難ひ体験の一部として学生諸君の記憶に残ることだらう。
   
  

 

 

 

6区では検出面が深くなって仕舞ったので、皆覗き込まないといけないのだ。
 

欠損のパターンに類似性は無いか?
 

今天出現した偶像は深掘りに因って検出された泥炭を材料に形成されたやうだが、たいへん邪悪な気を発散してゐる。
恐らく避邪用の土偶なのだらうが、こんなものを作って仕舞って何もなければよいのだが・・・
 

調査区南端、1区の層序。がさっとした砂利層が遺物包含層で、部分的に砂層がラミナ状に存在する様相。
 

北方から調査区方面を望む。
  
  
   
   

 

台風の余波で波高く、サーファーは皆無。
しかし、こんな天気でもやはりBBQ隊が一組居られました。なかなか強者だな。