空き地の果ての

今回の招待所周辺は物寂しいところ・・・
嘗ては製鉄会社系の巨大な団地群が立ち並び、殷賑を極めた此の丘の上も、今では其の大半が取り壊されて仕舞って、方々に広大な空き地が広がってゐるばかり。
それらの空き地に何か、代替建築物が建てられたり再開発が進んでゐる気配はみられず、フェンスで囲まれた限りなく虚無な空間が広がるばかり。
時折、奥の方にまだ数棟残った団地の住人か、それとも空き地の一角のみが唐突に開発された新興住地区の住人か、ぶむとエンジンを必要以上に噴かした車が走り去るのだが、団地時代の名残りかだうか、至近の距離にコンビニが2軒も有るし、基幹駅からバスの往還も結構頻繁にある。
招待所の周辺では、何軒かの商店が細々と営業を続けてゐるが、中華料理屋も酒屋も床屋も、客の姿を見たことがない。回りのしもた屋も合はせると、団地の一角にあった小さな商店街てうことなのだらうが、昔を偲ぶよすがも無い。