大邂逅
越南珈琲の影響もさほど無く、昨夜はぐっすり睡眠。時折遙か彼方から宇宙船がゴーっと飛行して行くやうな音が響いて来たやうな気もするが、夢の中の事だったかなと思ったのだが、さうか、此の家の横の大通りには地下鉄が走ってゐたのことを思ひ出す。
豪勢な朝食を準備していただき、むしゃむしゃと喰ってから出発。
期限までに発送出来なかった図書を15冊ほど、其のどれもがかなりの大部なのでバックパックに詰め込み、そんな重荷を背負って都会を歩くのも奇妙な体験だ。そもそも此のバックパックはチベットに持って行ったものだし、背負ふのもそれ以来のことだし・・・
さて、辿り着いた学内は既に各種準備に走り回る人々多く、特殊工作機器の使用デモをする為に駆り出された友人達の姿も見へる。我輩はと言へば、今回は図書販売の売り子としての徴用であり、諸事情に因ってセニョールの協力を得つつも、ほぼ終日の担当を余儀なくされる予定。
同室には埋文中心の人々や県史の出店も有り、皆さん勝手知ったる様子。惜しむらくは、研究発表会場と図書交換会場がなかなか遠いことが何とも残念だが、ナムサンデハッキョにも事情があるのだらうから仕方がない。
午前中は比較的閑散とした図書交換会場だったが、昼休みには発表を聞き終えた人たちが押し寄せて、なかなかの人出だった。一昔前は学生がバイト代を貯め、この時とばかりさまざまな専門書や報告書を買ひあさってゐたものだが、最近では本当に本が売れない。買ってまで読むべき論文集や報告書が無いと言って仕舞へばそれまでのことだが、やはり気楽にコピーしたものや労せず貰ひ受けた資料では身に付かず、泡沫的な知識に終始して仕舞ふのが落ちだらう。
お昼から午後にかけて、さまざまな研究同志や各種大先生が来店されたが、中でも特筆すべきは紅村博士の出現だ。此処、南山大学にも所縁のある大先生だが、奇しくもお預かりしてゐた「加生沢遺跡石器資料写真集」を出品中の我が社においでくださり、しばし歓談。数年前、我輩の諸事情によって電話回線が切断され、数ヶ月後に新たなる番号で復活した頃、ついつい新番号のご連絡を怠ったまま今天に至って仕舞ったワケだが、心配して何度かご連絡頂いた由。
お見かけしたところたいへんお元気さうな様子だったが、「最近は足腰がねー」などと言はれる。執筆活動の方は何をや言はむ、「古代人」最新号(68)における「加生沢調査の追憶と再検討」は現場の生々しさが手に取るやうに伝はってくる文章の連続で、紅村流まだまだ健在の極みにて、ご健勝のことと存知候。近い内のお宅訪問も快諾していただき、実に有り難きこと。<(_ _)>
この他、矢張り売り子で隣席にこられ、いろいろな楽しい話や情報をお聞かせ頂いた纐纈氏を筆頭に、今年度から無事合法的に奈文研に潜入成功した山崎パクサや静岡方面で研究に邁進する小崎ソンセンをはじめ、豊田の森ソンセン、滋賀の小島ソンセンや愛知学院大学の学生・院生諸君。普段なかなか一時にはお会ひ出来ない人々の御尊顔拝することが出来まして、誠に喜ばしきことと存知奉ります。
それにしても5年分のお年玉を貯めた資金で大部な報告書や大量の資料を買ひ占めたYSD君、長年路上の自販機周辺の小銭を拾い集め貯めた資金で念願の「神明社貝塚」を入手したKTOモドキ君、先生から頂いたお駄賃と彼女のバイト代を合計して歴史的な「加生沢遺跡石器資料写真集」を紅村博士の目の前で入手することに成功したNGSW君など、学院関係の学生諸君の行動は頼もしいものばかり。我輩も可能な範囲で協力させて頂きますので、遠慮無く各種ご連絡あれよ。
結局、3時の閉店時間ぎりぎりまで交代要員出現せず、欲しかったMiehistoryも考古学フォーラムも、出版社関係の数冊の本も買ふこと叶はず、5時までに残された僅かな発表だけは覗き聴き、心地良い疲れとともに退散せり。
奇跡のスリーショット！（Ｗソンセン、増子パクサ、山下ソンセン）
紅村博士もお元気さうで何より
山崎パクサと記念の1枚（何の記念さ？）
といっても、今夜もお宿は友人宅で、夕餉は三人で大通りの向かひのブラジル料理店へ繰り出すことに。其の内容は・・・
ブラジル風バッハならぬコロッケ？（紡錘形のやうな奇妙な形の揚げ物）、スモークソーセージ（サラミと同じ）、椰子の芽の天麩羅（大葉とチーズが夾まれてあって、極めて和風）、それとメインは魚のモケッカ。シチューにココナッツミルクがたっぷり入ったやうな感じで、白身魚の切り身もたっぷり入ってゐて、それを皿に盛ったご飯にかけて食べるのだが、スパイシーさも殆ど無く極めて淡泊な味で、シェラスコなどしか知らんかったブラジル料理のイメージを覆す一品。
ちなみに我輩の選んだ飲み物は、「ガラナ」で御座ゐました。
(-_-)満足
そしてコレが噂のブラジル料理モケッカ（サラダ付き）
