3 - Wikipedia

一方2で完結したままの世界も確実に存在するのであって、「善・悪」「明・暗」「陰・陽」など、より原始的な感覚に多い。
2と3とくれば次は4に決まってゐるが、其の代表は「四季」であらう。しかし、感覚的な四季の存在する地域は地球上でかなり限定されて仕舞ふので、「二至二分」の4分割とするのが良いだらう。次に「四方」だが、此の場合は往々にして四方を決定する中心点となる座標が存在するもので、結果的には5の原理に属する場合が多い。風水的な「四神相応」もやはり、中央の明堂を求めるための卜占であるし、アイルランドの4地方(北のアルスター、西のコナハト、東のレンスター、南のマンスター)はあくまでも世界の中心であるタラの存在が前提であるし、見ゑざる第5元素の表象は専門家によって緻密に分析計算された策略=王の存在を示唆する。
確かに、盤古は宇宙の生成に際して陰陽の二元素に回転力を与へたが、それではいつの時代から二項対立が三位一体へと進化したのだらう。また、三つ巴を四分割された世界観に変容させたものは何だったのか。全ては、姿を現さない「第5元素」の実態を暴くことから開始されるべきなのかもしれない。
(-_-)
                    
嘗て、詩が宇宙を創造し、カミのコトバそのものであると人々に認識されてゐた時代があった。
ダルマ(法)も詩のかたちで口承されており、詩人は預言者でありカミの代弁者であり、霊媒であった。長大なる太古の記憶を稗田阿礼が物語として口述したやうに、「かたりべ」や「もののべ」こそまつりごとをコトバに置換して固定し、後世にまで伝へる役を担った人々だったのだ。
現代の詩は確かに、青春の残滓ではあるけど、例へば大自然の本質やものごとの有り様をいったいどれほど内包し、世界に伝へてゐるのかは不明だ。
人間に個人的な意識が芽生ゑ、カミのコトバが人々の大脳皮質に届かなくなり始めた頃、ことだまも原始的な役割を終へやうとしてゐた。口承されてきたものがたりは、文字と言ふ新たな宇宙に固定され、独自の世界を再構築しはじめる。
ジョン・シャーキーは言ふ。
                
ケルトの奥義は、光と闇、夜と昼のあいだにある薄明や、雨でも海水でもなく河でも泉水でもない露や、また草でも木でもないヤドリギなど、物事が中間の領域で融合する状態において明瞭になる。」(イメージの博物誌18『ミステリアス・ケルト』薄明のヨーロッパ 鶴岡真弓訳 1992 平凡社
                    

ミステリアス・ケルト -薄明のヨーロッパ- イメージの博物誌 18

ミステリアス・ケルト -薄明のヨーロッパ- イメージの博物誌 18

生と死の中宥はバルドゥ・トドル(所謂チベット死者の書)に詳しいが、グラデーションの中間にしか顕現しない真理(原理)てうものも此の世に存在することは確かなことだ。そもそも、此処に言ふケルトの奥義」がいったいどのやうなことを差してゐるのかはよくわからんが、どちらにも属さない中庸なものどもへの限りない憐憫や愛ほしさは常に感じる。
実際、両端で対峙する二項は常に融合を目指してゐるわけでもなく、太極図の如く決して混ざり合ふこと無く遁走し続ける場合も多く、其の場合は中間のグラデーション構造も持たない。しかしこれは最近になってやっとわかったことだが、陰陽の接する曲線が実は無限拡大可能なフラクタル構造をなしてゐたと言ふことは、留意しておく必要がある。
また、両性具有を全能と見るか畸形とみるかは時代によって、また宗教観によって、更には個人個人で違ふものだらうが、中間の領域で融合し完結した個体と言ふ意味ではカミでもあるのだらう。さすれば、両性具有者は「男と女、そしてカミ」の三位一体を体現した存在とも解釈が出来、単なる身体的畸形てう観点からは離れて再考する必要がある。
                    
「<我>と<汝>、<これ>と<あれ>の二元性は、本来ひとつであるものが、自然の可視的世界と不可視の夢の領域とに分かたれている状態である。」(ジョン・シャーキーの同書より)
                          
兎に角、今天の記事はそこはかとなくとりとめのないはなしであることだけは間違ひ無いのこと。
(―_―)
                     
チベットの死者の書―サイケデリック・バージョン

チベットの死者の書―サイケデリック・バージョン

  • 作者: ティモシーリアリー,リチャードアルパート,ラルフメツナー,Timothy Leary,Richard Alpert,Ralph Metzner,菅靖彦
  • 出版社/メーカー: 八幡書店
  • 発売日: 1994/04
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 18回
  • この商品を含むブログ (6件) を見る


                        

本日はムカゴを収穫せり