三界曼荼羅

岬の黄昏は常に偉人を魅了する

最近此の辺りに頻繁に出没する日系人の屑鉄屋だが、今天も朝早い時間から出現。
こちらは前回バイクとホンダライフを持って行ってくれたセニョール・ピーニャたちで、その時「簡易印刷機は次回また近くに来たときにポルファボール」と頼んでおいたことを、覚ゑてゐてくれたらしい。
しかし、日時は約束できないとのことだったので、先日新たに出現した別のセニョールたちに引き取ってもらったワケで、悪いことをしたな。
見ると今回は日本語堪能なブラジル人の親方はおらず、前回トラックを運転してゐたペルー人のおじさんが、これまたサボテンブラザーズみたいな顔をしたメヒコ人みたいな、若くて細いお兄ちゃんを助手として連れて来ており、コン・ペルミソ。
ちょっと世間話をしやうと思ったが、ペルー人の方はほとんど日本語ダメで、我輩のインチキチータスペイン語では殆ど会話の呈を為さず、残念さうな顔をして帰って行った土佐。
(-_-)土佐?
                 
                  
ところで三位や三者の一体は此の世界の必然の理で、素数の原理も担ってゐるやうだ。
代表的な「父」と「子」と「精霊」を改めて引くまでもないが、フランスの国是である「自由・平等・博愛」、「天・地・人」や「日・月・地球」「金・銀・銅」「○・△・◇」、「誕生・人生・死」などの高尚な観念的三位一体から、果ては「麺」と「具」と「餡」または「タレ」の三位一体が理想とされる天津飯冷やし中華の世界、「sin/cos/tan」また学校におけるPTA三者面談、三国同盟や三体掘、三親等や三石塔(トリリトン)、人工天体「ラーマ」の3で構成された世界、キングギドラ、三大宗教などなど、三人寄ってはじめて収まりがつくものごとは此の地上の身の回りにいくらでも溢れてゐるわけだから、やはり根源的な数字なのだらう。
観念的世界や宇宙の原初を語る上でも、天地玄黄陰陽相剋の元素は直ちに回転を開始し、第三者を内部に吸引して三つ巴となってより高速で回転運動を開始したのだらうが、同時に3は最小限の安定数でもある。現実的には、1個では役立たず、2個では火打ちにしかならなかった石も3個集めれば竈を為し、安定した基盤を造り出すやうに、3の出現を以て初めて、世界の安定が担保される場合も多いのだ。古代中国の三足土器や青銅器、また古代デルフォイの巫女が神託を受ける時に騎乗した三足鼎椅子などが典型例である。