易水

稲のはざ掛け、雨に濡れ、猶勇まし。

再び激しい天気変化。
昨夜から午前中にかけて、強力な雨雲が南洋から一直線に北上し、伊勢湾口を擦り抜けて今回は三重県側の山脈へ。時折電光と雷鳴が走り、そして豪雨。
唐突に雨上がり、そしてまた突如降り始める。幸ひ横風があまり無いので、縁側への降り込みだけは免れてゐる按配だ。
雨雲レーダーを見ると、日本列島のなかで此の辺りだけが激しい雨になってゐる様子。結局、先日来の天候不順はまだまだ続いてゐたのであった。
爽やかな秋晴れはいったいつになったらやってくるのだらうか。
(-_-)
                
さて、今天も炉穴の続きを・・・
巷では今、炉穴が大ブームのやうで、街を歩けば炉穴に落ちるは、炉穴を焚けば天井は落ちるは、風呂に入れば底が抜けてお湯ごと滑り出して大騒ぎ!?
(-_-;)
                   
                  

               
考察「煙道付炉穴について」(財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所平成17年度現地説明会資料からの引用)
             
2,煙道付炉穴の分布:
煙道付炉穴の分布は、九州、東海、中部、関東地方の、特に太平洋側に分布する傾向があります。太平洋ルート使い、南九州の縄文人たちが、煙道付炉穴を本州に伝えたと考えています。九州や関東では一遺跡において煙道付炉穴が300基を超えるような例もあります。一方、東海地区においては、静岡県東部を除き、発見事例そのものが大変少ない状況です。今回初めて、東海地区においても、大規模な煙道付炉穴群があったことがわかりました。近隣では、磐田市匂坂中遺跡、菊川市三沢西原遺跡、掛川市大和田遺跡で煙道付炉穴と考えることのできる遺構の検出例があります。
                    

                        
【読解】
考古学の宿命で、発見されてゐないものは存在しないに等しい扱ひを受けて仕舞ふのが不憫だ。
煙道付炉穴の時間差的分布情報を見る限り、草創期末期に南九州で発生した?炉穴が、いったいどのやうに東海地方にまで伝播し、独自の形態を生み出しつつも猶、東海道沿ひに関東地方にまで達したのか。縄文早期を概ね4千年間と仮定すれば、2千年近い年月を経た伝播現象てうことになる。
自然環境は縄文海進が始まってゐて海面の上昇期だが、海水準は現在より30m以上下がってゐたはず。当然植生も野生動物も今とは随分違ってゐただらうから、さういふことを念頭に考へるべきだらう。
(つづく)
                      
                           

            

雁合遺跡:炉穴周辺の観察(焚き口側は集石土坑と切り合ひ、炉穴を土坑が切ってゐる状況)
            
                      
                          
                            

さて、今宵のお楽しみは芸術劇場パーヴォ・ヤルヴィ指揮 フランクフルト放送交響楽団 日本公演
                   
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<曲 目> ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」(ベートーベン) <ピアノ> エレーヌ・グリモー
 交響曲 第7番 ホ長調 [ノヴァーク版](ブルックナー
管弦楽> フランクフルト放送交響楽団
<指 揮> パーヴォ・ヤルヴィ  <収 録> 2008年6月3日 サントリーホール
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録音マイクのセッティングポジションの関係か、普段はあまり聞こえないはずのヴィオラだの第2ヴァイオリンだの、中声部が異常に良く聞こゑる。
パーヴォ・ヤルヴィの指揮は堅実だが面白味に欠け、エスプリの輝きも見られないため余り好きではない。
しかし、大オーケストラのキレは抜群で、「皇帝」のダイナミックレンジは驚くほど広かった。特にピアニストのエレーヌ・グリモー嬢のユニゾンがクリアで力強く、カデンツァのパッセージもオーケストラ同様にキレが良いので、トゥッティがメリハリ付きすぎて、ちょっと堅苦しい演奏になって仕舞ってゐたのが意外だった。ひょっとしてピアノの調律でタッチを固くし過ぎだったのか、それともハンマーのフェルトを取り替へてまだ間もないのかは不明だが、こっちはちょっと中抜けの音でしたが。
それにしても此のオーケストラの、所謂ドイツ風の重厚さは、癖になるな。ブルックナーの第2楽章(葬送曲?)などは弦の音圧最高で、是非ともかういふ演奏を生で聴きたい・・・
(―_―)
                 
                     

ブルックナー:交響曲第7番

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個人的にはこちらの演奏がオススメ

ブルックナー:交響曲第7番

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