穴穂部

土器土器式

なにかどこかおかしな話だな、と思ふことがこのところいくつもあって、勿論学問的な疑問も仰山あるのだけれども、世間様の関心の高い話題から取りかかるとすれば、其の筆頭は漁船の燃料問題。
農水省が漁船燃料の価格高騰対策として緊急支援を決めたてう報道。或る漁協の決議文に曰く、「漁業用燃油の価格は、出漁しても燃油代が水揚げ金額に達しない事態であり、出漁を断念し、廃業を考へる組合員も出てゐる。われわれは徹底した自助努力を行ってきたが限界を超へてゐる。国に燃油価格への直接補助を強く要望する」とぞ。
もし漁業者に此のやうな権利が有るとすれば、油を盛大に使ってゐる一部の農民や運輸業者や、毎日ガソリンを使って通勤してゐる我々も直接補助を要望することができるのだらうか? 何故、漁民だけが?と言ふ素朴な疑問が先立つ。
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今天になってやうやう、ガソリン価格が180円の大台を切ったやうだが、一昔前は1リットルが100円を切ってゐたのだよね。
夜になって福田ホイホイはあっさり辞めて仕舞ったやうだし、其れが具体的に何かの責任を取っての事かと言へばさうでもなささうだし、辞めたら辞めたで野党は無責任だと大合唱だし、やってゐるうちは辞めろ辞めろの大合唱だったし、まさに本格的な国民総無責任時代の到来で、これで「無責任男」も報はれる?
(-_-)
                  
                   
ところで先日の炉穴燃焼実験の其ノ後。
ISKW氏より今回の大雨後の報告を受け、天井も崩落することなく残存してゐることを知る。画像を見る限り、大雨が炉穴周辺に置かれた掘削土を再び炉穴空間に流入させ、水の作用で細かな粒子が水簸され、しっかりと詰まったやうな感じ。
このまま炉穴が放置され、あと数回の雨の作用で残りの隙間にまでもきっちりと土砂が詰まって仕舞へば、更に其の状態のまま乾燥と湿潤を繰り返せば、天井部分も崩落することなくしっかりと残る場合も有るてう見本になりうるワケだ。
雁合遺跡で遭遇した炉穴も、天井部を支へるやうに石組みが残ってゐた例も有ったけれども、そんな炉穴も中が空洞のままでは、比較的容易に天井部など崩落して仕舞ふことだらうから、やはり使用後よほど上手いタイミングで内部が埋もれて行った結果の偶然なのだらう。

                   
                      
 
(左)炉穴1号、焚き始めの様子と、(右)豪雨後、土砂で埋もれた炉穴の様子。(手前が焚き口)
                     

雁合遺跡における炉穴。隙の無い設計と構造。石を積み、天井部を支へてゐる。