意志の示威

ポタラ宮前に掲揚された五星紅旗

チベット騒乱 数百人規模デモ続発 「四川で発砲18人死傷」
3月20日8時1分配信 産経新聞
【北京=野口東秀】中国国営新華社通信は19日、甘粛省甘南チベット族自治州で15日以降、暴動が起こり政府庁舎や学校などが破壊された、と伝えた。中国のメディアがチベット自治区ラサ以外での騒乱発生を報じたのは初めて。
一方、インドに活動拠点を置く非政府組織「チベット人権民主化センター」は19日、中国四川省甘孜県で18日午後に「チベット独立」を叫ぶ約300人の群衆に対して治安部隊が無差別に発砲し3人が死亡、15人が負傷したと発表した。また、甘粛省甘南チベット族自治州合作市で同日、僧侶や市民数百人がデモ行進し「チベット独立」を求めたという。武装警察など中国当局とデモに関わった市民が衝突したかどうかは不明だ。
さらに、四川省アバ・チベット族チャン族自治州のマールカン県では18日、政府庁舎にチベット人数百人が集まり、庁舎前に掲げられた中国の国旗を引きずり下ろし、その代わりに、禁止されているチベットの旗を掲げたという。
このほか、合作市以外の甘粛省内の各地で抗議デモや衝突が相継いでいるという。チベット自治区の周辺地域では、ラサでの騒乱に影響されるかたちで新たな騒乱が続発しているもようだ。
新華社通信は、ラサでの騒乱参加者105人が当局の警告に応じて自首したと報道。中国の通信社、中国新聞社は19日午後までに出頭者は160人に達したと伝えた。
中国外務省の秦剛報道官は19日、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世を、「チベット民族以外の民族のチベットからの退去を求めている分裂主義者」と批判する談話を発表した。米国務省が18日にダライ・ラマは「独立を主張していない」としたことへの反論だ。
中国外務省の談話は、ダライ・ラマについて「宗教の看板を掲げ、長年祖国分裂活動をしてきた政治的流れ者だ」とした上で、(1)チベットを中国の一部と認めず占領された国と主張している (2)大チベット構想を持つ (3)中国軍の撤退を求めている−と指摘した。
ダライ・ラマは19日、独立急進派「チベット人青年会議」など亡命チベット・グループ5組織の幹部とインド・ダラムサラで会談。自らが主張する「高度な自治」への理解を求め、騒乱沈静化に向けて説得したとみられる。

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