胎動する相似形

てぃだに矢を翳せば・・・

早くも桜の開花を待つの頃となりにけり。
啓蟄を過ぎ、一気に気温も上昇し、春雨や菜種梅雨の声を聴くの頃になると、我が陋屋の方々にもお馴染みの顔ぶれや気配が。
早い話が厄介な虫(シロアリやムカデ、蚊虫やハエなど)だのヤモリだのフナムシだの三葉虫だの、へっぽこネズミだの青大将だの鼬だのヤンバルクイナだのクリオネだの、吸血蝙蝠だの始祖鳥だのオキノケダマヘクソカヅラだのタコダラブッヘだの・・・
(-_-)
          
昨夜は天井裏を鼠が走る気配、いや、足音。
今回はへっぽこではなく、家鼠の方かと推定されるが、早急に罠を仕掛けなければなるまいぞ。
(–_–;)
           
さて、ほぼ完掘された謎の集石土坑X13の隣で検出された、礫の混ざった赤土の範囲。はじめはもやっとした不整形なアメーバ状プランを呈してゐたが、検出と掘削を進めるうちに擂り鉢状に掘り込まれた円形の土坑であることが判明。
直径は1.2mほどで、規模はX10に相当するも、埋土中には被熱礫や炭化物など殆ど無く(大小のチャートはいくらか存在した)、中層以上に土器片が比較的多く含まれてゐた。但し其の殆どが極めて小片で、保存状態も非常に悪いので文様を確認できたものは数片しかないが、撚糸文土器であった。
疑問は幾つもあるが、先づ、至近の距離にほぼ同規模の土坑が2つも掘削され、そのうち片方のみが所謂集石土坑として機能してゐたのは何故か?てうことだ。それぞれの機能や目的が違ったのだらうが、X13をアースオーブンに類する遺構と解釈すれば、すぐ脇の円形土坑はどのやうな目的で掘削されたのか?
人生も世界も、謎は多い方が楽しいのは確かなことだが、遺跡の謎はやはり遺跡の存在するうちに解いておきたいと思ふのが人情であるので、我輩も人の子なれば全方位に解釈を放射中。
(-_-)
             
暖かかったですね。
朝方は少し風強かったですが、日中の大半はTシャツで工作活動に従事いたしました。X10,12,13などから掘り出した大量の被熱礫は全て土嚢に詰め、資料館まで運搬いたしましたし、大地より次々と赤白のピンポールが抜かれまして、道具類もほぼ取り纏めました。
都合1ヶ月半にも亘る雁合遺跡の「緊急」発掘調査も遂に終極無間を迎へ、お互ひ騙し合ひ化かし合ってきました工事業者ともお別れにて、果たして今年度中に此の部分の道路整備は完了するのでせうか? 
重機の動きともども、遺跡の完全消滅するまでしかと見届けたいと我思ふ故、我有りにけるかも。
(-_-)
              
               

磨石・丸石・玉子石
               

例の黒線が入った墨絵風チャートと、被熱して赤変した豚肉ブロックのやうなチャート。
             

最後まで出土するミニ石鏃と、宮西遺跡の新地点で発見された石槍。遺跡の範囲はどんどん広がるばかり。恐るべし!