破天荒

アロエの花に玉雫

朝方、妙な音のざわめきに、急ぎ外を眺めると霰。
時に激しく雨戸を真横から叩き、時に目にも見へないやうな早さで吹き飛んでゆく。地上に落ちて暫くは白い粒々で、ところどころダマになって積もるが如き様相にもなるのだが、強風に揺さぶられて白い粒は溶解し、乾いてゐた枯れ葉の表面をびちゃびちゃと濡らしていく。もしこのまま霙となって庭中に積もってしまふと、アロエなどは凍傷になり葉がぶよぶよに腐ってしまふのだが、それほどの様子は無い。
昨夜からの風は当地で言ふところの「気違ひ風」の範疇をも上回る暴風であり、地上のものを全て吹き飛ばすやうな勢ひだ。先日切り揃へて庭の片隅に積んでおいた小枝の束も、上に割れた煉瓦をいくつか乗せて置いてあったプラスチックコンテナも、底抜けさうなブリキのバケツも、蹲ひに添へてあった柄杓も何もかも、どこかに吹き飛んで行ってしまつた。
霰混じりの小雨をもたらした灰色雲は半時間ほどで去って行ったが、暴風は終日止まず、屋外での体感温度は恐ろしいほどの寒さ。予定してゐた屋敷林の小枝切りや竹藪伐開などに、完全防備で出てはみたものの、これまた半時間ほどで切り上げて屋内へ待避。もっとも今天は室内でも吐く息ちょっと白いのだが、外よりはマシてうことで・・・
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夕方には果敢に、自転車で岬へ。
山かげを回り込んで吹き付ける北風に自転車ごと押し戻されつつも、この寒さにもかかはらず定点に辿り着く頃には全身かなりの汗。
されど、此の光景に孕まれし気の旺盛には太陽の姿無くとも変化なく、有り難く日毎夜毎のいのちのせんたく・・・