現場工作再び

日没、早すぎ!

久しぶりの屋外現場工作。
大規模に重機が動き回る圃場整備工事地内の一部分に、いにしへの調査の痕跡か、はたまた未知の遺構の有るや無しや。無理矢理剥がされた地表表土の方々に、焼土やぼんやりとした住居址床面の痕跡を見ゆ。
場所が場所、旧石器時代末〜草創期に至る大遺跡と指呼の距離にある段丘中腹なれば、晩期だの弥生だの古代だのと言ふ暇無く、一気に概期の遺構・遺物など出現しないものかしらむとほのかに期待せしが、いざ少人数で山肌の検出をかけてみれば、僅かな剥片類の他、妙に幾何学的な長三角形や不規則なる円形の焼土遺構が複数出現し、いざ調査に取りかからむ。
見てくれは古代住居址に伴った竈のやうでもあり、中世近世近代の炭焼き窯のやうでもあり、ヤリイカのやうでもあり古窯の煙道部のやうでもある。四等分して掘削を進めるも、極めて小規模なわりに雄大な古窯とも共通せる被熱硬化面が層状に検出され、埋土中からは粒石などに混ざり縄文土器の如き土器片1片を検出するのみであり、謎は深まるばかり。
午後は遙か千葉から訪れたりける貝殻ハンターの来訪も得れども、忽ち日暮れて猶道遠しの感慨の如く無情にも太陽は西之山に早々に沈めり。
すると忽ち、現場地上からは暖かさが消滅し、首筋を木枯らしが擦り抜け、手先指先も冷たくなって地面に突きし膝頭も痛し冷たし。日暮れまでに何とか概要最低限のみ掘削は完了すれども、これ以上の謎の追究や測量などは来週火曜日に持ち越しと相成りまして候。
△ホーと鋤簾の激しき使用、それと夕方以降の外気温低下が相俟って、可成り疲れ果て給ひけるかも。明天はお山洞窟行きですが、大丈夫?
             
              

全ては此処から始まった・・・