大公園巡回&シャンゼリゼ劇場天井桟敷の日

天井桟敷の優雅な窓辺

昨天のストライキは解決しなかったらしく、今天も大規模ストライキの続き。といっても昨天のやうに全面運休ではなくて、組合に参加してゐない職員が細々と運行する頼りないダイヤなので、まったく時間が読めないワケだ。
でもその情報を知らなかったので、メトロの駅で延々と待たされる事になってしまった。時折ストライキ中の不規則ダイヤであることを告げるアナウンスが流れるものの機械的で、詳細な情報提供は一切無し。だから乗客はホームでひたすら、トンネルの彼方から聞こへてくるメトロの轟音を待ちわびることになるのだが、路線によってはホームに乗客が溢れてしまって危険な状況に。更には稼働中の列車(線によって違うが、おおむね平常の五分の一またはそれ以下の稼働率)も日本のラッシュアワーのやうに超級満員にて到着するので、押し合いへし合いで大変な事になる。
我が輩も乗換駅であまりに待たされた為、急遽地上に湧出してバスに切り替えたが、これも乗り継ぎがうまくいかず、パリ市内の目的地まで1時間半以上もかかってしまった。
ちなみに今天の第一目標地は19区中央に鎮座するビュッテ・ショーモン大公園。ブローニュからなんとかかんとかスターリングラードまでは辿り着いたので、そこからはメトロ数駅分を歩く。此の公園の珍奇なるところは、その尋常ならざる景観にある。
恐らく石灰岩の切り出し場であった大岩壁と窪地を利用して、恰も自然景観のやうに造作し、運河から引いた水を用ひて大瀑布なども拵へ、深山幽谷(こちらではアルプス方面のイメージだらうか?)を再現しているのだ。「神殿」なるあだ名の東屋が設置された中央のピークを取り囲むやうに池が造られているのだが、水面からの高さは50mほどもあるのではないか。そこに至るルートには鉄橋が設置されているのだが、これらほとんどは前世紀の作品。季節的に木々の紅葉も美しく、ピークからはサクレ・クール寺院も遠望出来、ちょっと不思議な一時間あまりを体験。
どーせメトロもバスもあてにできないのだから、昨天に引き続きどんどん歩いてしまへてうわけで、公園の南側に出て20区方面へ。地形的には隣りの丘になるのだが、30分程でベルビユ公園のテラスに至る。此処は知る人ぞ知るパノラマが楽しめるビューポイントがあって、パリ市の中心あたりが一望出来る。どこから見てもエッフェル塔やモンパルナスタワー、更にはノートルダムやポンピドゥ中心はランドマークになるのだな、などと当たり前の事をしみじみ。
それにしても今天は肌寒い日で、それもそのはず、昨天から気温は最高が12℃で、朝方は3℃くらいになっているらしい。先日まで日中が15℃以上、明け方でも7℃くらいあったことを考へると、寒波襲来といったところでせうか。
さて、ベルビユ界隈のあちこち路地裏まで覗き歩き楽しんで、ブールバール(大通り)まで下山? お昼まで大規模ストリートマーケットだっったらしく、その片付けで騒然とした状況。ベルビユの南側あたりはアラブ人多く、水タバコ吸うカフェだのアルジェリアのお菓子屋だのいろいろ。メトロのベルビユ周辺は中華街のやうな様相なので、人種国籍まさにモザイク状態。高い日本新聞を横目に、1ユーロちょっとで買える中国語新聞は我輩の有力な情報源であるので、数紙買っておく。日本はまんだ存在している様子。
さて、早いところストが解決してもらわないことには、カルトオランジュ利用者の我輩は困るのであって、まあ街歩きも楽しくて決して飽きる事は無いが、各地区の拠点まではメトロで行きたいワケで。
いったん帰宅して軽く夕食を摂り、今夜もまた、シャンゼリゼ劇場天井桟敷へ。今宵はフランクフルト放送交響楽団ブラームスプログラム。二重協奏曲と交響曲第4番てう重厚なる組み合はせで、深まり行く秋にふさわしい?
おいおい、このまま巴里に沈没してしまってはさあ大変。ちゃんと帰国出来るのかい???
                        
 
          
 
           
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