This is England

こちらは古いイングランドの象徴?

厳しい作品だ。
此が今のイギリスの現状だ、などと言はれてしまへばそれまでのことだが、この現状が何を意味してゐるのか。そして此の作品が作られたことも含めたイギリスの今と、どのやうに接すればよいのか・・・
答の無い問ひかけだから、無理して解答を探す必要も、感想を述べる必要も無いのだらう。我々は我々の日常の一部として此の作品を見、普段の日常のやうに感想を述べてみたり直ちに忘却してみたりすればよいのだらう。ただそれだけのことなのだらう。
メリケン国でレーガンが人民を鼓舞した如く、此の島国にも鉄の女首相が出現して国威を煽り続けた。其の時代の雰囲気は、末端の人々にさまざまな行動を起こさせ、表面的な意図は誤解され破壊的な行為を誘発した。しかし、此の退廃も亦、直ちに現状の一部として包括されてしまひ、日常の循環に帰していったのである。
ふてぶてしくて可愛気の欠片もない主人公の少年が、徐々に気にならなくなってくるから不思議だ。監督は、街のごろつきの大半は実はいい奴らであり、警戒すべき人物などほんの一握りに過ぎないのだてうことを、実に丁寧に描く。実際さうなのだらう、しかしいざ自分の境遇を引き寄せてみると、出来れば関わり合ひを持ちたくない連中であることに変はりはないし、自分には関係ないことだと考へたくなるのも致し方ないことだと思ったりしてみる。
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さておき、ひたすら街歩き、建築巡礼。
相変はらず歴史的建築物や耶蘇の教会堂、またギマールを筆頭に、リンデンワラビ、アールデコ、そして建築中や解体中、改築中の物件も含めて極めて積極的に。
              
 
           
 
              
 
             
 
          
 
改築工事中の囲ひにも、このデザイン感覚