諸段階

ユキちゃん!

アイルランドの予定が終はり、帰途に着いたはずなのだが、さうさう一気に物事が運ぶものではない。純粋なる「帰路」てう意味での帰国準備は、ダブリンから始まったといっても過言ではない。
しかし、今回好機の享受に因って得てゐる様々な恩恵の一環として、英国コルチェスターにおける日本語環境の整った電脳の自由使用による帰国の為の諸準備(調査)を開始したのは、実は昨天からのことだ。
飛行機のコンファームもまだ済ませてゐないくせに真っ先に香港の天気予報を見て、いまだに連日気温が30℃てう状況に閉口する。紛ひ乍らここ1ヵ月半を欧州的冷涼気候下で過ごした我が身であるからして、十数時間の恐怖のフライトの果てに必ず体験せねばならないこの亜熱帯気候の高温は、偉人の身体に如何なるダメージを与へるかてうことなど想像するまでも無い。ともすれば空港から1歩外へ出た途端に倒れてしまふやもしれぬ。そこは何とか強靭無垢な精神力?を十二分に発揮して、重慶大廈まで辿り着かねばならないし、目的である友人宅と店舗の存在する粉嶺まで正気を保たねばならない。果たして如何なりますやらてう不安はさておき、結局ネット上でのチェックインはいくつかの条件を満たした旅客だけに許されてゐることらしく、巴里に戻ってから電話にて行はねばならないやうだ。
一方日本の天候は・・・気温はやうやう各地で30度を切って、ひところよりはうんと涼しくなってゐるやうだからこれだけは一安心。でも、一夏の盛夏を放擲しておいた我がパナリガーデンが、再びみたび雑草生ひ茂り蚊虫浮遊する危険空間に変貌してゐることだけは間違ひない。
天気のことばかり気にしてゐるやうだが、よく考へれば巴里行きのチケットもまんだ買っていないことにふと気付き、友人夫妻の援助を得てネット上で買票。矢張り当然倫敦は経由するのだが、コルチェスターからの鉄路や狂気の沙汰のアンダーグラウンド(地下鉄)の切符をいちいち買わなくてもよいてう利点がある。
NATIONAL EXPRESSとEUROLINEの提携中継で、コルチェスターバスステーション出発が15:40、倫敦ヴィクトリアコーチステーション着が17:50、出発までちょっと余裕あって、20:30出発で、いつものやうにドーバー・カレーのルートで巴里着は翌朝6時半てう按配。今回は英国入国時のやうなややこしき心配は不要であるし、ちょっと勝手知ったるフェリールートなので安心してゐるのだ。あとは明天午後、友人奥様にステーションまで車で送っていただくだけなのだが、実はその友人夫妻も数年ぶりに日本への帰国と小旅行出発が来週であって、ひょっとすると我輩が香港で浮遊してゐるうちに先を越されてしまふやもしれないのであった。(チケットの値段は52ポンドで、うち予約手数料が3ポンド。これがちょっと高すぎぢゃーありませんか?)
ちなみに彼らのチケットはヴァージン航空のもので、ヒースローから日本への直行便であるからして、ややこしさも何もかも羨ましいほど無い様子。
                
今天はほぼ終日雨模様。現在午後6時近く、やうやう晴れ間戻り遠くの丘に虹の断片が懸かるほどの回復基調なれど、同時に黄昏近し。