英国式週末その2

村のパブにて

昨天の不足分まで取り戻さむと、布団に潜り込んで眠った御陰様で起床は9時半てうだらしなさ。
日曜の朝食は此処でもなぜかパンケーキで、自家製のジャムやチョコバターとバナナスライス乗せたり挟んだりして美味しくいただく。其の後皆で近くの森に出掛け、1時間余りのんびりと散歩を楽しむ。其処此処にある栗を拾って歩いたり、時折腐葉土の隙間から顔を出してゐるフリントを拾ってみたり、森を縦走するローマンロードを歩いてみたり、犬のユキちゃんも楽しくてしかたない様子で、紅葉落葉の始まった森の精気を大いに吸収する。
帰路、村のパブに立ち寄り、各種エールの試し飲み。生ぬるいし気が抜けたやうなエールを好む日本人はあまりいないかもしれないが、此処での風土が生み出したものであり、のんびりと長閑な時間に満ちた日曜の午後の田舎のパブのテラスで飲むエールは、これがまた格別。すぐ隣の素朴村の教会を覗くと、入り口には収穫祭を祝って子供たちが飾り付けをした棚が設けられてゐて、その野菜やくだものの大半が近くの超級市場から持ってきたそのままのやうな風体であることに苦笑する。
帰宅するやいなや、今度は自宅前の丘をちょっと登ったところにある貸し農場へ。友人夫妻は美しく手入れされた住宅の庭の一角でも野菜などを育ててゐるのだが、かなり広い農地を借りて十数種類の野菜を育ててゐたのだ。予想を上回る規模に驚き、テーブルで食べてゐる野菜の殆ど(ベリー類も)が歩いて数分の此処からきたものであることと実感する。勿論日常的管理は奥様の努力によるところが大きいが、感服した次第。
晩餐は今宵も美味しいお肉で、旅行中にこのやうに連日、本格的な料理(しかもワイン付)を味はったことは実はこれが初めてであって、巴里での毎日やアイルランドの踏査で減りかけた体重が、ここ数日で回復するどころか増加してしまったに相違無い。
さて、今天の嬉しさはこればかりにあらず、これまたかれこれ十五年近くご無沙汰の英国人陶芸家ララことYolandeの消息がわかり、電話でコンタクトを取ることが出来たことである。勿論、英国的ウェブサイトの検索には友人奥様のネイティブパワーをお借りしたことは言ふまでもないが、彼女は今でもエセックスの工房で作陶を続けてゐることがわかったのだ。彼女との出会ひは1986年にまで遡るが、陶芸ホームステイで常滑の工房に滞在中、地元のボランティアの一員としていろいろ世話したり遊んだりしてゐたのだ。勿論、電話では語り尽くせない様々な思ひ出や、すっかり忘れ切ってしまってゐた共通の友人のことなど、あれこれあれこれもどかしく話し、メールアドレスを交換。次回の訪英があれば、必ず立ち寄りますのでよろしくね。
いろいろ、楽しい週末過ごせて、本当に来てよかったね。
ホントにね・・・
            
乾杯!