西へ

悲しみの歴史

ベルファーストを後に、西部のロンドンデリー(デリー)に向かふ。11時発、9ポンド。
朝食はユースのカフェで、ベーグル2個とティーで3ポンドとちょっと。
朝から寒々とした小雨だが、バスで行くうちに徐々に晴れ間が広がってきた。今朝の天気予報を見てゐると、巨大な嵐が大英国島を横断して行った様子。各地で竜巻が発生し、いろいろ大変なことになってゐる様子が報道されてゐた。さう言へば1987年の英国南部も、今回同様何十年ぶりかの大嵐が通過し、訪れたイーストボーンあたりでもかなりの巨木が倒れたり、中世の修道院遺跡が崩壊したりしてゐたことを思ひ出した。
12時40分、ロンドンデリー着。バスデポから歩いて15分ほどの独立系ユースに向かふものの、昼休みで食事に出てゐるとの看板で先にタワーミュージアムへ。城壁のすぐ内側に復元された塔を中心にした博物館で、デリーことロンドンデリーの町の歴史が詳しく展示されてゐる。映像や人形やジオラマなどを積極的に採用し、最後には所謂「血の日曜日」ややっと訪れた現在の妥協的な平和に至る道筋を、報道番組仕立てで見せられるワケで、かなり厳しい。また別のコーナーには、スペインのアルマダの発掘記録(沈没船なので水中考古学)などもあって、なかなか充実した内容の2本立て。4ポンド。
                  
 
             
 
           
 
          
 
                
さて、結局当てにしてゐた宿は予約でいっぱいで取れず、仕方なくインフォメーションで紹介してもらったB&Bに泊まることになった。値段は我輩にとっては驚くべき36ポンドであって、城壁から5分ほどの距離。部屋は美しく綺麗で、シャワーもトイレもお茶セットも何もかも用意されてゐて、贅沢この上無し。
せいぜい十二分に寛ぐべし。