ダブリニア2

リフィ川に架かる歩行者専用の鉄橋

ダブリンの雰囲気は昔と随分違って、オコンネル通りなどは以前よりうんと活気があるし、ショッピングアーケードもいつも若い人や観光客で賑はってゐて繁華街らしい。しかし 、通りを1歩裏路地に入ると、そこは薄汚くホームレスも多い。
大型店舗や伝統的店舗以外の隙間にはかなりたくさんの小型店舗が挟まっており、個人経営も多いやうだが、気になるのはポーランド系のコンビニ(または雑貨店)の存在だ。見る限フランチャイズのコンビニのやうでもあるが、店の奥の方ではポーランド料理のデリカをやってゐたり、ポーランドの新聞やビデオレンタルをしてゐる店もある。所謂倫敦で言ふインド人経営の食料品店や雑貨店のやうな感じで並んでゐるのだが、あちらは植民地的歴史的背景がその存在理由に隠されてゐるのであるが、アイルランドポーランドの間にはそのやうな関係は無い。
さう言へば、アイザックホステル近くの安宿も、レセプションの男女はポーランド人だったし、客もポーランド人が多かった。それにケルティック・ツアーのワゴンドライバーもポーランド人の若者だったし、インターナショナル・ユースホステルでバイトしてゐた若者もグダニスクから来た学生だった。
EU 発効後のヨーロッパが、以前には考へられないやうな質の変化を始めてゐることは、巴里における英語表記の頻出ひとつをとってみても実感できることだが、 欧州全体を巻き込んだ内的変化や変容は、我々の予想を遙かに上回る規模で進行してゐるに相違ない。