心頭滅却只管打座

うてな

今天、列島の気温は遂に40度を越ゑ、熱帯や亜熱帯とはまた違った「温熱帯」とでも呼ぶべき新たな気温帯を創出するに至った。
先日の台湾でさへ、最高気温は38度止まりだったのだよ、あの熱帯・亜熱帯の南の島でさへ。それがだうだ、本来は穏やかな、なにものか朦朧体がそこはかとなく空中に浮遊せる此の列島各地で、人々を狂気に至らしむるが如き高温熱波が発生するまでに其の本質が変質しやうとは・・・ それもたかが数十年の間に。
(−_−)
          
我が御幼少の砌、小学校の頃書いてゐた絵日記などに記入してゐた気温数値は、せいぜい32度あたりが最高値だったと記憶してゐるのだが、今や猛暑酷暑の出現率も高まって、この週末以後になるであらう30度前後の気温などは涼しく感じられて仕舞ふのかもしれないね。
寒さはひたすら着込み、火鉢抱へてぢっと凌げばよいが、猛暑の時はどのやうにすればよいか? 衣服を全て脱ぎ去っても、寧ろ素肌では気持ち悪くべたつくことの方が多いだらうし、籐で編んだ抱き枕や抱きカゴに抱きつき眠る他はあるまい。
更には、昔、とりわけ暑い夏の日午後には必ず夕立があって、多少ならずとも涼風立ち起こったものだが、今はまうそんな抑揚と陰影に富んだ気象は消滅してしまったのだね。
(−_−)
          
今天は狂気の暑さを避け、空調の効いた図書館か資料館の収蔵庫で一眠り・・・などとは行かず、オーバーヒートを密かに恐れつつも、軽バン駆って街へ。予定してゐた国際免許証の入手は、其の申告直前に陽気な日系人たちに因って写真撮影が遅れた為、出来ず。それもほんの数分〜5分以内の出来事であった為、悔しさは残る。わざわざ1時間半も車でやってきたのに〜、てう感じで悔しいので近くのミニストップでハロハロ(蜂蜜檸檬味)をむしゃむしゃがりがりと喰ひし後、友人宅に向かった。
(−_−)
           
さすがに夕方ともなると涼風が立って・・・なんてことはまったく無く、控ゑ目に冷房の効いた友人宅の玄関から外に出ると、路上からむわっと熱波が沸き上がる。ぽんぽこ峠の上空には夕日を浴びて、雄大な積乱雲が薔薇色に染まり、上層がカナトコ雲に流れて大気圏の熱気で溶解して行く・・・
其ノ後偉人は巨大銭湯へ、せめて湯浴みして垢離取り、刹那の心地よさを得むとぞ思ふ也。
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今宵も、五木寛之氏の仏教への旅。
第4集は仏蘭西と中国の話。洋の東西を代表する中華の雄であるが、片や禅の発祥地、片や今や禅の実践地。本場中国の禅僧が概ね多言なのに比べ、フランス人達は実に寡黙に、原点により忠実に座禅を実践してゐるのが奇妙だ。矢張り日本的な美学に従へば、多言は見苦しきこと。実際単純に、伝はることも少ないやうな気がするのだが・・・ 
調べてみるとハイビジョン番組の再放送で、既に単行本も出版されてゐたのですね。
                

21世紀  仏教への旅  朝鮮半島編 21世紀 仏教への旅 ブータン編 21世紀 仏教への旅 中国編
                   
                   

 身是菩提樹    身は是、菩提樹
 心如明鏡台    心は明鏡台の如し
 時時勤払拭    時時に勤めて払拭(ふっしき)して
 莫使惹塵埃    塵埃(じんあい)をして惹(ひ)かしむることなかれ
          
 菩提本無樹    菩提本(もと)樹(じゅ)無し
 明鏡亦非台    明鏡も亦台に非ず
 本来無一物    本来無一物(ほんらいむいちもつ)
 何処惹塵埃    何れの処にか塵埃(じんあい)を惹かむ
      
                              (慧能の言葉より)