都会の内包するものは

アールグレイのケーキを付けて

灼熱の都会へ。
ビルから放射される輻射熱は、舗装道路からゆらゆらと立ち上る熱気と相俟って、人々を脱力させる。ただでさへ、人間のランダムな蝟集は意識を散漫にさせ、目的を喪失させる力を孕むのだが、その上更に人工物の複合的効果に因って生じる熱波が加はることにより、より人々を容易に狂気に至らしむ。
(–_–;)
          
大手銀行の駅前支店の一角に設けられた外貨ショップ。
金曜と雖も日中ならさほど混雑することもなからうと、実は高をくくってゐたのだ。番号札の配布を受けた時には、既に18番であったが、現在手続き中の番号が19番と表示されており、おや?と思ったのだが、15分ほど待つうちに、実は番号は25番まで有って、そこから次はまた1番からカウントされたものの18番だったのだ。2つ有る窓口では、受付と処理が同時に行はれてゐるため、なかなかややこしい混雑振りだ。
待ち時間が十分あるにも拘はらず、自分の番になって慌てて伝票を記入してゐるたわけものも居れば、おしゃべりに夢中で番号呼び出しに気付かぬ愚か者も居て、余りてきぱきと運んでゐない様子。
それに、お盆休みがほぼ終了しつつある今頃なら、海外脱出組が外貨を購入するために集中することは無いだらうと勝手に思ってゐたところ、様子を見てゐると帰国組が余った外貨を再両替しに来てゐるケースも半分近くある様子。更に、取り扱ひ通貨がドルだのユーロだのポンドだの、キャッシュだのT/Cだの、売買多種多様であり、それを可成りの少人数でこなしてゐることは立派なことだが、結局我輩の番まで25分。申し込み通貨の受け取りは更に時間かかり、15分後であった。レートのことなど考慮してゐる時間的余裕が無いため、今天購入することが損をしてゐるのか得をしてゐるのかは不明。とりあへずユーロのキャッシュとT/Cを購入。
キラキラと安っぽく光るホログラムシールが、いかにも紙幣が共同幻想の産物であることを雄弁に物語ってゐる。
(−_−)
        
御陰様で友人との待ち合はせ時間に30分近くも遅刻して仕舞ひ、地下鉄で急ぎ覚王山参道へ。場所は有名な紅茶専門店
幼馴染みのイラストレーター、早川司寿乃さんはプロの作家で、面会は実に15年振り?! 最近の作品見せて貰ひ乍ら、小生は去年の今頃訪れてゐたチベットの超級写真集を見せ乍ら、それぞれとは無関係な話で盛り上がる不可思議さ。後半は彼女の友人のカード作家も加はって、さまざまな話題に花咲かせる。忽ち夕刻となり、我輩は別のアポイントのため退出。いろいろ楽しう御座ゐました。<(_ _)>
       
さて、次なるは地下鉄で一駅の近さ、本山交差点から猫が洞通りに入ってしばらく行ったあたりでのランデブー。これまた9年振りにお会いする巴里の関係者、岩月さんはアート・デ・トンコの主催者。
彼女は旅行自由化前後の時代、巴里に三年の滞在を2回も経験された方で、舞台美術関係の大先輩。不思議なことに我輩が20年前の在欧時にお世話になった人々とも因縁浅からぬ関係を持つことが判明。異国に於ける異邦人同士の不可思議な因縁に思ひを馳せ、今将に其の自らの痕跡探査に出立直前の我が身の宿命を、改めて実感。噂の鰻屋は売り切れ御礼にて、近くの美味しい創作料理つまみ乍ら、尽きぬ話にピリオドを打ち、帰路に就き、終電直前のローカル線に飛び乗って深夜に帰宅。
何とも濃厚なる都会の一日にて候。
(−_−)
      
      


ユーロ・ウルトラマン(avex

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マジョモリ

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だまし絵であそぼう (科学であそぼう (12))

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神さまの住む町 (わくわく読み物コレクション)

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台南から7月24日に送った小包(水陸運=SURFACE)、今天やうやう届く。一旦高雄まで南下し、そこから船積みされた様子。