移動日

火龍果

高雄から、火車に乗って台東を目指す。
ローカル列車は日本のそれと似た風景で、夏休みに入った学生たちが多く乗ってゐる。途中、長い長いトンネルを抜けると既に東海岸で、空に雲の一つも無く、遥か沖には緑島の島影。
3時間あまりで到着。10年ほど前に旧市街から移ってきた駅周辺には何も無く、殆どの人民がタクシーで直ぐ立ち去って行く。市街区行きのバスは1時間に1本ほどしかなく、時間だけはあるので1時間近くをぼんやり過ごし、十数人の客たちと街へ。15分ほどの22元。
此処での宿など当ても何も無いが、下ろされた旧駅前を暫く彷徨って金安旅社へ。おばばさま、おじじさまともに日本語流暢で、どこか日本の田舎町に来た風情。
1泊500元でとりあえず2泊。部屋にはぶむぶむと大きな音をたてる冷房(三洋製)あるが、調子は宜しい。テレビもケーブルで、NHKも普通に映る。風呂場はシャワーもあるが、浴槽は細かなタイル張りで、まさに今は亡き我が家のものに似て昔日の記憶を苛む。
路上に果物屋多く、お目当ての火龍果買ひ求め、流し台で切り分けて早速食す。果肉の赤いものと白いもの、2個で75元300円ほどか。此の他にもチョムチョム、ランブータン竜眼など種類は無数であり、水果市場にそれらが無数に居並ぶ様は目が眩むほど。どれも一度は試してみたいものばかり。
此処は何処か?