今、過去を見ただらう

咲きこぼれたるサルスベリの花

そりゃーね、村中に坑掘ってあれこれ調べてみれば、何かが何となくわかるやうな気がせむでもないんだらうけどね、さすがにさういふワケにもいかないだらう。
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早朝から既に蒸し暑く、無風。往還脇に四角い坑を穿ち、掘れや削れや。坑の中には更に濃厚な湿気が沈殿し、掘り始めて半時間も経たぬうちに全身大汗。なんだ、こんな事ならアミノ酸カテキン飲料飲んでおくべきだったか?
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一人の人間の営みなど、たかだか50年だの80年だの。家とてたかだか50年だの100年だの。ところが、地層の堆積はたった1mでも数百年だの数千年だの。そんな時間の断面を、これまた其のごくごく一部だけを削ってみたところで、過去数千年の歴史が変はるワケでもなし。此の先の100年が安寧になるワケでもなし。おいそれと太刀打ち出来るやうな相手では無いのだよ、過去なんて。
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其の壺は、今を遡る数千年前、何者かに因って此処に厳然と埋められたのだ。未来永劫、決して暴かれることなど無からうと信じ、此処に厳然と埋められたのだ。そして此の梅雨の、鈍い陽光に晒されて、水蒸気に充ちた大気に肌を濡らし、数千年の後に発見され、今正に掘り出されやうとしてゐるのだ。
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過去を知ることの意味は、何か。何故、過去を知る必要があるのか。何の為に過去を知らなければならないのか。過去とは何か。
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WHEN THE FUTURE LOVES THE PAST~未来が過去を愛するとき~ 「過去のない男」オリジナル・サウンドトラック 過去 過去、現在、未来