リンデン世界

睡蓮うつくし

慌ただしさにかまけ、方々に殆ど連絡せぬままの御帰宅であったが、此の日記なるもののやうなものの影響か風の便りか、其処此処から自宅への生還を確認する電子郵件が入る。
諸君よ、いくら我輩が優秀なる工作員であるとはいへ、隠密秘密裏に帰還して其のまま放擲しやうとしてゐたワケではないのだよ。
(−_−)ホント?!
かといって、此のママ永久にこの陋屋に籠城し、居住し続けるワケでもなく、差し迫った案件としては来月上旬に早速再逐電の予定ではあるのだが・・・
(−_−)何処へ!?
                 
このところ気に入らんのは、例のセカンドライフだ。あの仮想現実空間でやりとりされてゐる通貨単位が、「リンデン」と来たもんだ。何処の独逸が何時誰に断って此の名前に決定したのかは知らんが、由緒正しき我輩の名前の一部を通貨の名称に用ふとは、まったくけしからん。LINDENJI 先生にしても燐電太子にせよ、リンデンバッハ侯爵にせよウンター・デン・リンデンにせよ、菩提樹と関係があらうがなからうが、勝手に使用せるとは何事ぞや。
(−_−)お門違ひかしらむ?
             

リンデン 100粒

リンデン 100粒

                
夜になり、見知らぬ高校生二人来る。
聞けば、原付スクーターを一晩預かってくれろとのこと。見れば薄汚れたスクーターで、ナンバーも無い。二人は何故か汗だくで、うち一人は坊主頭。きょろきょろして落ち着きが無く、話もよくわからん。まう一人は茶髪のピアスで、同級生と言ふ割には落ち着いてゐる。彼らの曰く、盗んできたものでは絶対無いし、明日の夕方絶対に取りに来るとぞ。ちなみに家は此の村の反対の端っこで、地元の者とのこと。
でもね、君らよく考へてみ賜へよ。見知らぬ高校生が二人、夜中にナンバーの無いスクーターを持って来て一晩預かってくれろと言ってきたら、怪しむのがフツーではないかい?! 君らがオイラの立場だったら、どーする? はい、わかりましたと返事するかい。
(−_−)・・・・・
結局、彼らを信じてスクーターは預かったのだが、午後11時過ぎ再びやって来て曰く、家のヒトに話したら其のヒトに迷惑だからイカンと言はれたとのことで、引き取りに来たとのこと。バッテリー切れか燃料切れかは知らんが、何か走らないやうな雰囲気だったが、大半の意味もわからぬうちに事件は結構してしまったワケで、何だったのでせうね結局。