古代巡行

たゆたへり

今天は露草の咲く旧暦5月9日、浮神博士をお迎へしての半島周遊。
うたかたの晴れ間を喜び、先づは御城下。消へかけたいにしへの痕跡を辿り巡り、鍵の手曲輪に大手門、本丸土塁に武家屋敷。其処此処に古代を取り込んで、町は成長し盛衰を繰り返す。
近世と現代の混沌の後は、半島の重心、半島の臍。湖底に水没した古代の村は、地理的に閉じて自己完結した空間の中心地。其処を支配する者は、果たして半島の王であったか。其処に生を営んだ者は、いったい何処からやってきたのか。西からの新風をあづまに棚引かせ、内湾と外洋、それぞれから漂着せしさまざまなるものども、ヒトやモノや風俗や習慣、其の全ては此処で濾過されて、或る部分は熟成され、また或る部分は洗練されて各地に伝播して行く。
そして此処は何より、常世浪の寄せ来る島辺。遙か南島より、椰子の実と共に此の世の渚に漂着したものごとの熟成。海人の律動的、自立的な気風は陸の其れとは大いに異質なものであり、矢張り此処は異邦異国の地かと改めて・・・
安曇の半島は山高く、甘南備多し。引き千切られ、埋設された銅鐸の不思議や穿孔された銅鏃の謎。自然風土から生まれ、かたちを与へられ、再び風土自然に還っていくもの。そしてまた其の、醸成された風土によって育まれるもの。
永遠の循環
(−_−)
              
それにしても浮神博士の発想の柔軟さと、視点の多様さには感服致しまして候。
次回は神島と、山車の出るお祭りの時にでも・・・<(_ _)>