逍遙遊

めくるめく出会ひ @ cafe

今天の雨模様、是ぞ梅雨の、正に梅雨らしき有様。
灰色雲がすぐ其処の彼方の手前に垂れ込めて、小雨にしては蕭々然と降り続ける。直ぐ前を行く車と、対向車線を疾走するダンプカーの跳ね上げた水しぶきがフロントガラスに絶ゑ間なく降り懸かり、高速ワイパーで拭っても拭ひ切れない其の切なさ。
(−_−)
虚空を漂ふ無限の情報霊。
外の雨音も時に激しく、そしてまた時に止み、時に沈黙の裏に、かさかさと空しく乾いた羽音はヒトがキーボードを叩く音。この左手の薬指と右手の中指が連続することに因って生じるコトバの欠片のやうなものの一打一撃が、世界を走り宇宙に変化をもたらす。
ふと、電脳の画面から目をそらした其の視線の先に、群れ咲く深紅の薔薇。
(−_−)
小さき頼りなき細きか弱き稲の苗が、今では珍しくなりつつもある手植ゑに因って小さな水田に並べ植ゑられて、見るだに頼りなく、半ば倒れ懸かり、雨に打たれて其の葉も半ば浮き沈む。
蛙の威勢に押され励まされ、早く根を張れ。急ぎ育てよ。
(−_−)
出会ひは世界に変革をもたらす。
ヒトとの出会ひも去ること乍ら、それではいったい内なる自分と、何時出会ったか。そしてまた、未だ見ぬ自分は何処に居るのか。
(−_−)
            
フローラ逍遥 (平凡社ライブラリー)