魂魄の在処

小麦色の穂波広がる

李登輝台湾総統靖国神社訪問は、大陸方面でいろいろな物議を醸し出してゐるやうだ。
           

                 
 来日中の李登輝台湾総統(84)は7日午前10時すぎ、亡兄の李登欽氏が「岩里武則」の日本名で合祀(ごうし)されている東京・九段の靖国神社を初参拝した。
 クリスチャンである李登輝氏は政治、歴史、宗教を切り離し、フィリピンで戦死した兄を持つ私人として、実兄の英霊に一礼した。
 李氏は到着殿から曾文恵夫人らを伴って内部に入り、靖国神社側によると「(本殿で)昇殿参拝をした。遺族として参拝された」という。また、同行した作家の曽野綾子さんによると、李氏は靖国側の指示に従い、おはらいを受けた後に本殿で一礼した。
 参拝には、日本側からは曽野さんの夫、三浦朱門さん、西村真悟衆院議員らが同行。台湾側から台湾独立建国連盟黄昭堂主席らが付き添った。
 李氏は参拝を前に宿泊先のホテルで記者会見し、「靖国神社に参ります。62年間、会ったことのない兄を靖国神社で合祀し、遺霊を守ってくれることに感謝してきます。これは個人的な立場であり、政治的にも歴史的にも(関連づけて)考えないでください」と目頭を押さえて、実兄を思う弟の気持ちを訴えた。
                                     産經新聞 6月7日15時50分配信記事より
                  

           
参拝自体は極めて個人的な主題だらうが、中国人の死生観や霊魂魂魄に対する素朴な疑問が沸々と沸き起こる報道だ。
李登輝氏の此の宗教的こだわりの無さは、日本人に因る教育の賜物なのか、それとも本人の亡兄に対する素朴な思慕の念がさうさせたのかは判断しかねるが、御本人はクリスチャンとのこと。其の関係で耶蘇教の曾野&三浦夫妻らが同行されてゐるのか没関係なのかはよーわからんが、かういふ前例が出来てしまふと中国政府もいささか対応に苦慮することだらう。現状では「日本が李登輝の訪日を認めたことに改めて強烈な不満を表明する」てう間接的な苦言の提示に留めてゐるが、回復軌道上に在るとされる両国関係への配慮もほんの少しはあるだらうし、オリンピックを控ゑ対外的評判を気にしてゐるやうでもある。勿論いづれも本意ではあるまいが、対外的にせよ所謂「面子」に関る問題であることは確かなことだ。
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死者の棲む楽園―古代中国の死生観 (角川選書)

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