君知るや此の花をや

何故に天を突く

数日前、超市の野菜売り場で見かけたブロッコリー
それは中心の大きな株ではなく、それを収穫したあとに脇から伸びて来る2番芽を数十本束ねたものだったのだが、見るだに新鮮で美味しさうだったので即購入。塩茹でなどは手間なのでせず、ざっと洗って大皿に並べ、軽く塩振ってラップを掛けて電子レンジで約2分。忽ちにして、歯応への良い温野菜サラダの出来上がり。
勿論そのままの軽い塩味で食べても良いが、何種類か密かに常備してゐるドレッシングをかけて食べるのも宜しい。不思議なことに、恐らくブロッコリーが本来持ってゐる風味であらう香りと仄かなエグ味に関しては、中心の大株よりも脇芽の方が強いほどだし、栄養的にも極めて優れてゐるてうことだ。勿論、大株の方も時折買ひ求めるが、つぶつぶした花芽の部分は食感を楽しみ、風味は太い茎の部分で味はふのを常とする。
我輩はマネヨーゼことマヨネーズなる食品を全く使用しない主義なワケであるが、場合に因っては茹でたブロッコリーには大変合ふものと思はれる。我輩がよく使ふのは、サウザンアイランド等の甘口のドレッシング類なのだが、せうゆとおかかで和風に仕上げてみても頗る宜しい。
ブロッコリーの食べ方イロイロ、人生もイロイロだらうからさておき、買って来たブロッコリーの束は半分食し、残りはポリラップに入れてプラカップに立てておいたのだが、昨天は新たに購入してきたお惣菜(烏賊と葱の味噌和へ)に気を取られ、ブロッコリーの事はすっかり忘れてしまってゐたのだ。
今夕発見されたブロッコリーの変化は、驚くべきものであった。僅かに付いた葉は萎れ、生気を欠いてゐたものの、全ての花芽が開花し、黄色い花びらが無数に並んでゐたのだ。食べるべきか食べざるべきか、それ以前にまだ食べられるものかまう食べられないものになってしまったのか・・・
ものの試しに数本を取りゐ出し、萎れた葉を取り除いたあと皿に並べ、軽く塩を振って電子レンジへ。出来上がったものは以前のものと違ひ、何ともアクの強いイヤな臭いを発してゐたし、一口食べてみた茎の部分も妙な味で、結局捨ててしまうことになって仕舞ひ、大変勿体無いことをしてしまったものだと海より深く反省。
堅く並んだ花芽が、たった一日にして開花に及んだ原因としては、招待所房屋の気密性の高さが関係してゐるのだらう。このところの日中の最高気温は20度以上であり、気密性の良い部屋の内部は日中25度くらいになってゐるのだらう。たまさか水洗ひに因って開花に必要な最低限の水分がポリ袋の中に確保されてゐた為、小さな温室効果で急激に開花してしまったのだらう。
行く春や来る夏には関係無く、閉塞された狭小空間で、ブロッコリーは最後の力を振り絞り、生きて咲き、そして死んだのだ。
我輩の胃の腑に落ち、地となり肉と化して、今暫くの時を生きるのだ。
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パーティークイーンシリーズ きってね ブロッコリー No.1139

パーティークイーンシリーズ きってね ブロッコリー No.1139

だうやらカリフラワーは奴らの親戚らしい。