墳墓

桜の木の下に眠るものは何?

それにしても、2000年も後に此の墳墓墳丘にこれほど多くのヒトが登り、一枚一枚薄皮を剥ぐやうに積まれた土を日に日に削り、封じ込められた土器片や地霊や神秘や、人々の祈りや人骨や石の欠片を一つ一つ拾い上げては驚きの声を上げ、汗流し他愛無き会話を交はしつつも、構築の過程を遡りつつ掘り下げて行かうとは、いにしへびとも想像だにしなかったに相違無い。
昼はヒト造り、夜は鬼作りたりけるこの盛り冢は、土に埋もれ謎を蓄積し、果たして此の時を待ってゐたのか? 此の冢に眠りし魂魄は今将に永遠の虚空に解き放たれて、何処へ。
(−_−)
      
魂魄の行方はさておき、此の墳丘をいったい何度昇り降りしたことやら。其の頻度たるや、此処に葬られた一族の誰よりも高きことと・・・ さすがに右肘のことを意識して大掘削は意識して控ゑてゐるのだが、多忙を極めることに変はりなし。
(−_−)

誰もかも、善く眠れ、心行くまで、良く眠るべし。
         
「お墓」の誕生―死者祭祀の民俗誌 (岩波新書)
             
そろそろ我が墳墓の築造を開始すべきか?