霜々
霜立ち、霜降る。
夜半に風止み、海辺より霧立ち昇るの時、朝方は置き惑はせる白菊の花。自動車のフロントガラス、暖まるまで薄氷の結晶世界哉。
足下も然り。やうやう溶け始めたるその叢のおもての、さくりさくりと濡れ沈みたりけるに、疑ふらくは是地上の霜かと。
然り。
- 作者: J・G・バラード,中村保男
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1969/01/10
- メディア: 文庫
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さておき、
昨今、大いに文章を捻る。捻くり回す。切り貼り、増補し、挟み込み、水増し、肩すかし、浴びせ倒す。
もっとも、ページ数には限りあることとて、所詮大増幅も大削除も叶はず、掌中で捏ねくり回すに留まれり。
いくら液晶式筆記本電脳でも、毎天十数時間も睨めっこしてゐては、さすがに眼精疲労激し。
遠景として堂々と鎮座まします権現の杜のチカラを借りて、しばし目を閉じ瞑想するふりせり。
俄仕立て故、疲れは取れても悟りは得られず。
理之陶然哉・・・
正に霜月。