破天荒 et 破天候

フェンネルの新芽

低気圧の急速かつ爆発的な発達。
季節外れの大雨が上がったと思へば忽ち晴れ、そして俄に通り雨。あとはばうばう風来て雲飛びて、ひうひうひうひうと電線鳴く。
今日始まったワケではないが、天候の振幅が激しい。降れば大雨、吹けば暴風となり、極端な現れ方が多くなってきた。
この先、人道ばかりならず、お天道様も今や「中庸」は化石か、風前の灯火と成り果てたのだらうかしらむ。
それにしても狂人大統領さま、イラクの更なる治安維持の為には、一時的でも更なる派兵で平和を維持する必要が有るなどと平然と宣ひたりける。これぞ狂人の狂人たる所以だらうが、懲りない人々は死んでも懲りないのだらうね、結局。「馬鹿は死んでも直らない」とはさまざまな領域で真理だが、狂気の沙汰は油次第、メリケン様のお供だけは死んでも御免被り給へりよ。
かなりの雨で薄暗くさへあった今朝、自家用車の車幅灯を点けて走ってゐたのだが、いつもの駐車場で雨に気を取られ、スヰッチ切り忘れて地下の工作所へ。夕方まで気付かず、理之陶然に蓄電池切れ騒動と相成りまして、JAF呼ぶ始末。
此れぞ正に堂々たる不始末にて候。
     
子どもの不始末 親の後始末―もしもうちの子が…。そのとき親は、何をすればいいのか?
     
   
深夜に至り、大統領級の気違ひ風のばうばうと、山靡かせて家軋ませて、しきりに吹き荒れたりけるよ。
今宵はいつもの憶良ではなく、何故か人麻呂の歌をば思ひ出す。

   
柿本朝臣人麻呂、石見の国より妻に別れて上り来る時の歌二首 并せて短歌
石見(いはみ)の海(うみ) 角(つの)の浦廻(うらみ)を 浦なしと 人こそ見らめ 潟(かた)なしと 人こそ見らめ よしゑやし 浦はなくとも よしゑやし 潟はなくとも 鯨魚(いさな)取り 海辺を指して 和田津(にきたづ)の 荒礒(ありそ)の上に か青く生(お)ふる 玉藻沖つ藻 朝羽(あさは)振る 風こそ寄らめ 夕羽振る 波こそ来寄れ 波の共(むた) か寄りかく寄る 玉藻なす 寄り寝し妹(いも)を 露霜の 置きてし来れば この道の 八十隈(やそくま)ごとに よろづたび かへり見すれど いや遠(とほ)に 里は離(さか)りぬ いや高に 山も越え来ぬ 夏草の 思ひ萎(しな)えて 偲(しの)ふらむ 妹が門(かど)見む 靡けこの山(2-131)

反歌二首

石見のや高角山(たかつのやま)の木の間より我が振る袖を妹見つらむか(2-132)

小竹(ささ)の葉はみ山もさやにさやげども我は妹思ふ別れ来ぬれば(2-133)