和風謎

これもまた和装の一部

素朴な疑問は本質を炙り出す・・・
この時期、皇室の皆様方のお姿をテレビで拝見する機会が多くなるが、我輩の長年の疑問は、何故天皇陛下を筆頭にした皇族方のほとんどが、現代日本人の民族衣装である和服(着物)を召されないかてうことである。
衣冠束帯の平安風装束に関しては、高御蔵への御登壇その他で拝見したことが有るが、外遊や地方への行幸はおろか、日常の様子まで全てが洋装であらせられる理由は是如何に? 外賓が民族衣装の時も、お迎へする皇族側は常に洋装であるし、これはちと不自然ではないか?
昔『皇室典範』にそのやうな規定が有ると聞いた覚へが有ったので調べてみたが、そのやうな条項は見当たらない。残る可能性は、GHQが絡んだ不文律か約束事でも有るのかしらむとも考へたが、古くは明治天皇の時代から欧風、洋装を積極的に取り入れて来た背景の結果かしらむ。
見知らぬ某氏のサイトには、「天皇家の人々は、色々な束縛がありまして、武家時代を連想させる為らしく、公の場では紋付袴は着用しません。ただ、一般に公開されない儀式?では着用するそうです。」などと書いてあるが、真偽のほどは不明である。
ここまで書いてゐて思ひ出したのだが、皇后陛下だけは和服姿をしばしば見かける。しかしこれは、民間人出身であることが関係してゐるのかもしれない。
とまれ、謎は多い方が人生と世界が楽しいことだけは確かなことなのだが、解ゐておきたい疑問や謎もあるのさ。
    
  

天皇家の掟―『皇室典範』を読む (祥伝社新書)

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