何故?

いちごよいちご!

耶蘇教の諸習慣に関しては、自分でも驚くほどの無知の知である。
例へば、何故街中がさまざまな電飾で満ちあふれるのか、聖誕前夜には何故ケーキなどを食べるのか。そして最大の謎としては、聖誕老人は何故コドモたちに贈り物を配って歩いてゐるのか、などなど。
見知らぬヒトに付いて行ってはいけないだの、知らんヒトからモノを貰ってはいけないだの、比較的厳しい家庭戒律環境で育った自分にとっては、得体の知れぬ怪しい風貌の聖誕老人から楽しい贈り物を受け取ったり、同級生で近所の寺の息子の部屋で毎年催される聖誕前夜宴会にワケも分らず参加しつつも、どこか腑に落ちない居心地の悪さ(または所謂奥歯にモノの挟まったやうな違和感)を覚ゑてゐたのも確かなことだ。
そもそも、何故聖誕祭は恋人同士で過ごすべきだの、そんな雰囲気が浪漫チックだのてうことも由来不明だし意味もよくわからんし・・・
勿論、耶蘇風習の古層には、失はれたケルトの習俗や更なる以前の記憶の残照を見いだす事が出来ることなど承知の上だ。冬至や訪問神との関係などは興味津々の事象なのだが、あの表面的な脳天気さやけばけばしさ、耶蘇聖誕に名を借りた商魂の逞しさにぐいぐい押され、学問的興味も容易く萎ゑてしまうのだ。
今宵の超級市場出入り口では、売れ残った聖誕洋菓子類が山積みにされ、悲しく叩き売られてゐた。こんな風景さへ、白い恋人達にとっては浪漫チックなのだらうね?
こと、耶蘇教の諸風習に関しては、ついつい何か非常に冷ややかな目で見てしまいますが、これって偏見でせうか?
      
      
黄色聖誕 (台湾盤)