雑なるものよ!

大いに炊き込むのだ!

「雑」てう漢字の付く熟語の再評価。
雑:種々のものが入り混じること。統一無く集まってゐること。主要でないこと。有用ではないもの。余計なもの。分類しにくいもの。精密でないこと。粗野。
雑木林(ぞうきばやし、ざつぼくりん):良材とならない、種々の木が混じって生えてゐる林。薪炭林。雑木として価値の低い木とされた樹々がその実は、里山として人間のいちばん身近に有って人々に安らぎと恵みを与へてゐたことが知られるやうになってきた。常にうつらふその生態は里に住まう人間の生命と同期し、遺伝子に無常てう観念や循環の思想を植ゑ付けた。雑木林には、遷移の果ての、厳然とした極相林には見られない親近感や一体感があるのだ。
雑穀:五穀に代表される穀物類、米と麦は別格だったので、それ以外の穀類の総称が雑穀だ。豆も含まれてゐるし、黍(きび)、粟(あわ)、稗(ひえ)、玉蜀黍(とうもろこし)などのこと。飽食の時代に皮肉なことだ、精製されすぎて貴重な栄養分を去勢された白米中心の食事を改善するために、さほど価値の無い穀物として家畜のエサなどに回されてゐた雑穀類が再評価されてゐる様子。
雑音、雑学、雑貨、雑感、雑技、雑菌、雑言、雑然、雑損、雑談、雑務、雑用、などなど、いずれも小生にとっては必要なものばかり哉。


雑穀の書―毎日がおいしい、きもちいい 雑穀のすべてがわかる