いと寒きに、火など急ぎ起こせよ

ぬくもり

いくら暖冬とは言へ、所詮冬は冬。
我輩の夏に蚊取り線香がつきものの如く、我輩の冬には炭火が欠かせないのだ。隙間風ひうひうと流れ込み、全てのガラス戸が人の掌で打たれたやうに大きな音をたてて波打つ夜も、ちべたん大衣にくるまって文机の前に縮こまり、手先指先炙る火鉢の炭火さへ有ればそれが何よりの幸せ。
今年用意した炭はかなりの上物。包装紙には「岩手県九戸郡産 切り炭 なら 堅一級(6kg)」と書かれてある。七輪で料理の煮炊きにも使うので、一冬6kgでは足りない。ホームセンターや金物屋で売ってゐるものには、その品質にかなりのばらつきがある。近年中国からの木炭輸入が規制されたらしく、マレーシア産の巨木の輪切りのようなものだの、軟質雑木で火持ちが極めてわるかったり、実にいろいろなのだ。
小さな火鉢の中の炭火だが、ここにもまた宇宙を構成する五大元素が集合してゐるのだ。

和平フレイズ  ミニ七輪コンロ ほんわかふぇ HR-8373